23.コガネジム
 今朝早めに起きてヒビキ君が言ってたラジオカードを貰いにラジオ塔に行ってみた。

「受付の人に話しかければいいのかな?」

カウンターに1人いたから近くの受付のお姉さんに近づくとその子が話しかけてきた。

「はーい!うちがアカネちゃーん!!今な、ラジオカードが貰えるクイズをやっとるゆーてな、うちも貰いに来たんやけど……このクイズめっちゃ難しいやん!」

「クイズですか?」

「ただいまキャンペーン中!5問続けてクイズに正解するとラジオカードをプレゼント!ポケギアに読み込ませればいつでもどこでもラジオが聞けるようになっちゃう!」

「便利ですね。」

「クイズに挑戦しますか?」

「します!」

「では、第1問!ポケギアでタウンマップを見られるようにできる?」

「はい!」

最初は紙製の物を使ってたけどポケギアを使うようになってから鞄の中にしまいっぱなしになってる。

「正解です。じゃあ第2問!ポケモンのニドリーナは♀しかいない?」

「いない!」

「正解です。続いて第3問!ボール職人のガンテツさん。材料に使うのはボンゴレ?」

「ぼんぐりです!」

「またまた正解。では、第4問!ポケモン、コイキングに技マシンは使えない?」

「使えません!」

「すごーい!いよいよ最後の問題よ。人気番組、オーキド博士のポケモン講座。お相手はミルクちゃん?」

「……。(ミルクちゃんって……誰!?)」

オーキド博士がラジオ番組でポケモン講座をしているのは知ってるけど、相手がいるなんて知らなかった。今までの問題はポケモンの事やボールの事を知っていたら答えれる問題だったけど、ここはもう勘でいくしかない。

「違います!」

「ファイナルアンサー?」

「ファ…ファイナルアンサー!」

受付のお姉さんは私の顔をジッと見つめて結果を言うのを焦らした。

「……。」

「全問正解、おめでとうございます!商品のラジオカードです!」

「よ、よかったぁぁ……。」

「!」

近くにいた女の子が2回跳ねて私に近づいた。

「わーあんたすごいやん!うち3問目の答えてっきりボンゴレやと思てたわ!」

「あはは…。」

「あっあかん!そろそろジムに戻らな!」

その子は慌ててラジオ塔を出ていった。

「ジム…。あの子はジムトレーナーだったのかな?あ、私もジムに行かなきゃ!」

ラジオカードを手に入れたから次の目的に向かって走り出した。

 ―コガネジム
ジムの中は可愛らしい色合いの立体的で迷路な感じだった。ジムトレーナーのポケモンを見てるとどうやらノーマルタイプで性別が♀が多い事がわかった。あっちこっち登って降りての繰り返しをしているとやっと奥にたどり着いた。

「はーい!うちがアカネちゃーん!!……って、あんた今朝ラジオ塔におった人?トレーナーさんやったんやね。」

今朝ラジオ塔に行った時にクイズをやってた子だった。

「ジムリーダーだったんですね。」

「せやで!うちに挑戦しに来たんやんな?言うとくけど、うちめっちゃ強いでー!」

「負けませんよ!」

アカネさんはピッピを出して私はマグマラシを出した。マグマラシはやる気満々で普段より炎を燃え上がっている。

「先制攻撃するよっ!スピードスター!!」

ぴしぴしとピッピの頭にスピードスターが当たった。

「綺麗な技やのにめっちゃ痛そうやん!ピッピ反撃やで!ゆびをふる!!」

「博打技と言われる技をここで…!マグマラシ、何が起こるかわからないから気をつけて!」

マグマラシはゆびをふっているピッピに警戒をした。
ピッピのゆびがふり終わり、何が起こるか待っていると……何も起こらなかった。

「え…不発?」

「えーありえへん!何でー!」

ゆびをふるがまさかの不発と誰もが思っていた時、突然ピッピの身体が光り出し、凄まじい音と共に大爆発を起こした。

「だいばくはつ!?」

「ちょ、ピッピ!?」

だいばくはつの爆風でマグマラシは吹き飛ばされ、フィールドに強く身体を打ちつけて気絶した。ピッピはだいばくはつにより所々焦げて倒れていた。
1匹目から早々相打ちで終わってしまい、お互い拍子抜けした。

「警戒をしてたけどいきなりのだいばくはつは対応できなかったよ…。ごめんね、マグマラシ。」

マグマラシをボールに戻してライボルトを出した。アカネさんもピッピをボールに戻して最後の1匹を出した。

「あと1匹やけど…負けへんで!」

「さっきみたいに相打ちで終わらせませんよ!」

「せやな!」

私はアカネさんの最後の1匹、ミルタンクの恐怖を知る事になるとは思いもしなかった。

「ライボルト、かみなり!」

ライボルトはミルタンクに少し近づいてからかみなりを放った。

「ちょ、動き速いやん!でもうちのミルタンクはかみなりぐらいで倒れへんよ。ライボルトにふみつけ!」

「避けて!」

ライボルトはミルタンクのふみつけられる前に横へ飛んでかわした。

「もーっ!ちょこちょこ避けらてばっかじゃあかんわ!ミルタンク、メロメロや!」

ミルタンクはライボルトに可愛くウィンクをした。

「まさか…。」

メロメロと聞いて私は顔を青ざめた。

「もうライボルトはうちのミルタンクにメロンメロンやで!」

「ライボルト!!」

ライボルトに呼びかけたけど反応がなく、ミルタンクを見つめたままだった。心なしかハートが飛んでるように見える…。

「このままメロメロの状態だとライボルトは攻撃ができない…!」

してやられた…性別を使った戦略とは面白いけど、やられるとこれほど厄介だとは思わなかった…。

「ミルタンク!ころがるで1発かましたり!」

ミルタンクの勢いがあるころがるがライボルトに迫る。

「ライボルト!しっかりして!」

メロメロの状態のライボルトは何の構えもなくミルタンクのころがるにぶつかって吹き飛んでいった。

「そのままふみつけ!」

「このままじゃダメっ!ライボルト、目を覚ませぇえ!!!」

ふみつけを食らえばライボルトは倒れる可能性が高い。目を覚ます事を期待して私は大声で叫んだ。

「これで終わりやぁ!」

ミルタンクにふみつけられる瞬間−

『ガルル!』

ライボルトは間一髪、正気を取り戻して至近距離でかえんほうしゃを放ち、ミルタンクを炎に包まれた。

「…よかった!」

「ひー!んなアホなー!」

ライボルトは少し頭を振ってからミルタンクの後ろに回りこんで、ミルタンクの視界に入らないように動いた。

「切り替えていこう!ほうでん!!」

「ころがるやで!」

ほうでんで放たれた電気ところがるがぶつかり合い、そのままミルタンクのころがるが突っ込んできた。

「あのころがる…怖すぎる!!10万ボルトで迎え撃って!」

タフなミルタンクのころがるに恐怖を感じた。力押しで敵う相手ではない事は確かだ。何か策を考えなきゃ…。

「……。(攻撃を避けれてもメロメロをされては手も足も出ない状態になる…。ならば攻めるしかないのかな…?)」

ライボルトの10万ボルトで何とかころがるを止める事ができた。でもそれだけじゃダメージは与えれないし、ミルタンクのミルクのみで回復されてしまう。

「ライボルト、まだいけそう?」

『…ワウ!』

あのころがるの威力を逆手に取れば勝てる可能性は見えてくる。ライボルトがまだいけるなら頑張って体力を削りたいところ。私は必死に策を考えていた。

「あれは…。」

ふと、フィールド全体を見渡すとライボルトがいる場所から少し離れているが右側に階段のブロックがあった。アレを活用できるかもしれないと思った。

「よし…!ライボルト、もう1度ほうでん!!」

「ほうでんを突き破ったるで!ミルタンクもころがるや!」

予想通りころがるでほうでんを突き破る気なので作戦に移ろうと思った。

「きたか…!ライボルト、ほうでんを突き破られたらあの階段ブロックまで走って!」

私は少し離れた階段ブロックを指差した。ライボルトは頷いてほうでんを抜けたミルタンクを確認してから駆け出した。

「鬼ごっこなら負けへんで?ミルタンク、ライボルトを追いかけや!」

ミルタンクは転がったままUターンし、階段ブロックを上がるライボルトを追いかけた。

「よしっ(かかった…!)」

ミルタンクは階段をころがるで上ろうとしたけど勢いがあるため階段の段差で跳ねてしまい、ライボルトの上を越えてしまった。

「なんやて!?」

「今だ!かみなり!!」

空中に跳んだミルタンクはかみなりを受けてフィールドに落ちた。ミルタンクは立ち上がろうとしたけど、かみなりと落下した時のダメージが効いて倒れてしまった。

「うちが負けたやて…!」

「勝てた…!ライボルトよく頑張ったね!」

ライボルトをたっぷり褒めてからボールに戻して、アカネさんもミルタンクをボールに戻した。これでバッチは3つ目!と喜んでいると……。

「うぐぅ……わーん!!わーん!!」

「!?」

突然、アカネさんは大声で泣き出した。

「アカネさん、落ち着いてください!?」

「……ぐっすん、ひっぐ……ひどいわーっ!!」

「え、えぇ…っと…!」

どうしたらいいものかとおろおろしているとジムトレーナー子がやってきた。

「アカネちゃん!しっかりしーや!勝ったトレーナーさんにちゃんとバッチ渡さな!」

「……ぐすん。ああ、バッジ?ごめん忘れてたわ…はい、レギュラーバッジ。」

私は泣き崩れたアカネさんからレギュラーバッジをもらった。

「あ、ありがとうございます…。」

何だか勝って申し訳ないと思いながらバッチケースに入れた。

「あとこれもあげるわ。わざマシン45はメロメロいうてポケモンの魅力を最大限に出す技やねんっ可愛いうちにぴったしやろ?」

アカネさんは可愛いけど使うのはポケモンというツッコミを入れそうになったけど…やめた。

「あ、そや!ここから北にある自然公園の隣にポケスロンちゅう競技場がオープンしたんやて!あんたそんだけポケモン使うの上手いんやから行ってみた方がええよ?それにおもろいと思うから時間があったら行ってみ?」

「ポケモンの競技場…ですか。ジム巡りが落ち着いたら行ってみます。」

「うちも気ぃ向いたら行ってみるわ!!ジム巡り頑張りやー!」

さっきまで泣き崩れてたのにあっという間に泣き止んだアカネさんに見送られながらコガネジムを後にした。
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