21.ウバメの森
 ポケセンで治療した後、ウバメの森を抜けてコガネシティで1泊しようと思っていた。

「2匹とも、今からウバメの森を抜けてコガネシティに向かうけど大丈夫?」

『クルッ』『ワゥ!』

体力や傷は治っても疲労はまだ回復してないだろうと思って聞いてみたところ、どうやら心配無用のようだ。

「シャワーズも行こっか!」

『キュルー』

久しぶりにシャワーズと一緒に歩いて、ウバメの森の前にあるゲートへ向かうと赤髪の少年…ソウルが立っていた。

「お前は…!」

「……聞きたい事がある。ロケット団が復活してるってほんとか? 」

「本当だよ。ヤドンの井戸に潜んでたロケット団を追い返したけど?」

「何!?お前が追い返しただって? 嘘言うなよな。それが本当だと言うなら……その実力、オレに見せてみろ!」

「嘘じゃないし実力はわかってるでしょ?それと研究所のワニノコを返してくれる?」

「断る!」

ソウルはボールを投げてゴースを出した。

「盗んだポケモンで最強になれると思わないで!シャワーズ、みずのはどう!」

「…したでなめる!」

「オーロラビーム!」

ゴースが舐める前にオーロラビームが当たり、ゴースは倒れた。ソウルは次のポケモンを出した。

「ズバット、おどろかす!」

ズバットはシャワーズの前まで飛んでいきなり翼を大きく広げたからシャワーズは驚いて怯んでしまった。

「怯んでいるすきにかみつく!」

「シャワーズ!」

コンボを決められ、シャワーズはかなりダメージを受けてしまった。

「アクアリング!」

シャワーズの周りに水で出来たリングが現れ、少しずつ傷を治していった。

「回復技を持っていたか…。ズバットちょうおんぱだ!」

「避けてアクアテール!」

ちょうおんぱを避けて後ろからアクアテールでズバットを地面に叩きつけた。

「きゅうけつ!」

「みずでっぽう!!」

きゅうけつで吸われる前にみずでっぽうでズバットを倒した。

「…まだやるの?」

「お前なんかに負けるわけがない!いけ!アリゲイツ!!」

ワニノコはアリゲイツに進化していて以前より怯えていなかった。

「みずでっぽうでシャワーズを飛ばせ!」

アリゲイツからみずでっぽうを放ったがシャワーズは自らみずでっぽうに当たりにいった。

「なっ…!?自分から当たりにいくなんて何てバカな奴−」

「シャワーズの特性知らないの?」

シャワーズの傷はすっかり治って身体が潤っていた。

「ダメージを受けていない!?」

「最強になる言うわりに少し勉強不足じゃない?」

「うるさい!水タイプの技が効かないならそれ以外で戦えばいいんだろ!かみつく!」

「威力はありそうだけどマグマラシより遅いね。みずのはどう。」

ひらりとアリゲイツの攻撃をかわしてシャワーズは反撃をした。同じ水タイプだからあまりダメージは与えれていないけどアリゲイツは混乱して目を回していた。

「何やってんだ!アリゲイツ!!」

「混乱したポケモンは2分の1の確率で自分に攻撃する。どうする?攻撃を指示する?」

「シャワーズにかみつく!」

ソウルは迷わず攻撃を指示したがアリゲイツは訳もわからず自分を攻撃した。

「…シャワーズ、アクアテールで決めて。」

シャワーズは頷いてアリゲイツにアクアテールをした。叩き飛ばされたアリゲイツはソウルの足元で目を回しながら倒れた。

「勝負あり。」

「……チッお前が2度も勝てたのはオレのポケモンが弱かったからさ。……オレは弱い奴が大嫌いなんだ。ポケモンだろうがトレーナーだろうが…。そういう弱い奴らがうろついてるのが目障りでしかたない…ロケット団も同じ。1人1人は弱いくせに集まって威張りちらして偉くなったつもりでいる。そんな奴らが許せないんだ。お前はうろちょろするなよ。オレの邪魔をするならついでにお前も痛い目に遭わせてやるからな……。」

ロケット団と弱い事に関する愚痴を言ってからまた私の前から立ち去っていった。

「あいつもロケット団を嫌っているんだ。自分も弱いのにポケモンと一緒に強くなろうとしない。可哀想なトレーナー…。」

ソウルが立ち去った方角を見てからウバメの森のゲートを通った。
ウバメの森に入ると中は木々が鬱蒼とおいしげって空が見えないくらい薄暗かった。

「さて…会えるかわからないけどセレビィの事と思われる森の神様を祀っている祠を探そうかな!」

薄暗い森の中を歩いていると木を切れば通れそうな場所があったのでマグマラシに切ってもらった。

「ホーホーはカントーでいうポッポの立ち位置みたい。さすがに薄暗いからズバットの姿を見かける。」

草むらと木々には虫ポケモンがたくさんいて図鑑にその事を記入していった。しばらく歩くと森が少し広くあいている場所があって、周りを見ると奥に小さな祠があった。

「あった。これが森の神様を祀った祠…。さすがにセレビィはいない、か。」

私は鞄の中にあった木の実を3個ほどお供えした。

「幼い頃、花の冠作ってくれてありがとう。ドライフラワーにして部屋のドアに飾ってあるよ。またいつか会えるといいね。」

拝んで先に進もうと歩き始めた時、どこからか綺麗な鈴のような音が聴こえた。
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