10.キキョウジム
 昼前にキキョウシティに着いてウツギ博士に連絡した後、ポケセンで一休みしている時にジム戦を終えたトレーナー達の会話が聞こえてきた。

「ハヤトさん強かったな!返り討ちにあったよ!」

「何せ最強の鳥ポケモン使いだからな!」

”最強の鳥ポケモン使い”と聞いてキキョウジムが飛行タイプのジムだと知った。

「飛行タイプか…。シャワーズどうする?今から行く?」

『キュルル!』

やる気満々のシャワーズの返事を聞いてソファーから立ち上がった。

「じゃあ早速キキョウジムへ行こう!」

シャワーズと一緒にキキョウジムへ向かってジムの看板を見たら
[キキョウシティ ポケモンジム リーダー ハヤト
 華麗なる飛行ポケモン使い]
と書いてあった。

「へぇ…華麗なる飛行ポケモン使い……。」

どんな飛行タイプのポケモンが相手かなと思いつつ、中に入ってジムの案内人にトレーナーカードを掲示した。

「ん?君、ホウエンから来たのかい?」

「…いえ、出身はホウエンですけど5年ぐらい前にカントーに来てそれから3年前にジョウトへ引っ越してきました。」

「そうだったかい!未来のチャンピオン目指して頑張れよ!」

「はい!」

全体的に木造建築でジムの真ん中辺りに立つと床が上っていった。

「ジムの中ってギミックが凄いんだねぇ…。皆、バトル頑張ろっか!」

ベルトに付けてあるボールがカタカタと揺れて、シャワーズは足元で身体を伸ばしていた。
頂上に着くとトレーナー2人待ち構えていたのでシャワーズとマグマラシで倒していった。途中、肩を押されてよろけなかったものの反射でつい翼を出しそうになった。

「……。」

「悪かった!そんなに睨まないでくれよ!」

安全の為に何か対策してると思うけど落ちたらただでは済まなそうな高さだった。少し狭い足場を渡ると和服で青髪の青年が待ち構えていた。

「君が挑戦者か。俺がキキョウジムリーダーのハヤト!世間では飛行タイプのポケモンなんか電撃でいちころ……そんな風に馬鹿にする。俺はそれが許せない!大空を華麗に舞う鳥ポケモンの本当の凄さ思い知らせてやるよ!ゆけ!ポッポ!」

ハヤトさんはボールを高く投げて出てきたのは馴染み深いポッポだった。

「シャワーズ!いっておいで!!」

キキョウジムでポッポvsシャワーズによる初のジムバトルが始まった。
昔にラクライでオニスズメの集団に攻撃した出来事を思い出しつつ攻撃の指示を出していた。

「シャワーズ!みずでっぽう!」

「やるな…!」

野生のポッポとは違って動きに無駄がないけど、戦い慣れていたからポッポとシャワーズのバトルはすぐ決着がついて最後の1匹になった。

「いけっピジョン!」

「ピジョンかぁ…。」

そこまでダメージを受けていないけど、シャワーズに連戦させるのは悪いと思ってマグマラシを出した。

「マグマラシ、勝つよ!」

ポッポの進化系のピジョンはそれなりに速さがあったはず…と考えているとピジョンがたいあたりしにマグマラシに近づいていた。

「…マグマラシ、避けてえんまく!」

マグマラシはピジョンの攻撃を避けてえんまくを放った。

「ピジョンの鋭い目にえんまくは通用しない!えんまくごとマグマラシを吹き飛ばせ!かぜおこしっ」

ピジョンがかぜおこしをして、えんまくと共にマグマラシが飛ばされた。

「っ!!マグマラシ、大丈夫?」

『クルル!』

マグマラシは体勢を整えて大丈夫だと言わんばかり首元の炎を燃やした。

「うん、わかった。たいあたり!」

マグマラシのたいあたりが当たってピジョンは空中でよろけたがすぐ持ち直した。

「……!(このピジョン、手強い!)」

「ようやく風にのって来たところさ!ピジョン、もう1度かぜおこしだ!」

再びピジョンのかぜおこしがマグマラシを襲う。強い風に帽子が飛ばされないようて手で押さえながらどうするか考えた。

「このままだと、かぜおこしで徐々に体力削られてしまう!マグマラシ!全速力のかえんぐるまでかぜおこしを突破するよ!」

かぜおこしに押されながらマグマラシは、ピジョンから少し距離を置き、全速力で走ってかえんぐるまをした。助走をしたかえんぐるまの回転は速く、かぜおこしの中でも速度が落ちずにピジョンの所まで届いて命中した。

「よし!」

「何っ!?」

ハヤトさんはまさかかぜおこしを突っ切ってくるとは思わなかったみたいで驚いていた。2度目のかえんぐるまはピジョンに大ダメージを与えた。

「まだまだ飛べるぞっ!ピジョン、はねやすめだ!」

ピジョンはフィールドに降りて羽を休めた。

「しまった…!体力を回復されるのはまずいっ!マグマラシ、羽を休めているピジョンの周りにひのこを放って!!」

マグマラシはピジョンの周りをひのこを放ち、炎で囲った。

「何をするつもりかわからないけど…。ピジョン、すなかけで炎を消すんだ!」

ピジョンはすなかけで周りの炎を消そうとしている時、ハヤトさんは私が不適な笑みをしているのを見た。

「地に降りた鳥が上から攻撃されそうになった時、周りに逃げ場はありますか?」

「まさか!!」

ハヤトが気づいた時にはマグマラシはピジョンの真上でかえんぐるまの体勢になっていた。

「ピジョン!避けろっ!!」

ハヤトの指示でピジョンは避けようとしたが周りの炎が邪魔で身動きがとれなかった。そのまま真上からマグマラシのかえんぐるまが降ってきて、ピジョンは避ける事が出来ずまともに攻撃を受けてしまった。その際、砂ぼこりが舞って炎は消火された。

「ピジョン!」

砂ぼこりが消えるとそこには気絶したピジョンと傷だらけになりながらも誇らしげに立つマグマラシがいた。

「わかった……潔く地に降りるよ。いや、降ろされたに近いかな…君の、勝ちだ。」

ハヤトはピジョンをボールに戻し、マグマラシは私に向かって走ってきた。

「…勝った!やったねっマグマラシ!!シャワーズもお疲れ様!」

走ってきたマグマラシを抱きしめるとシャワーズは頭の上まで登ってきてジム戦の初勝利を喜んだ。

「…畜生。父さんが大切にしていたポケモンが……。だが負けたものは仕方ない。ジムを突破した証としてポケモンリーグ公認のジムバッジを持っていけよ!俺から君に贈るのはこのウイングバッジだ!」

私はハヤトからウイングバッジを受け取った。ウイングバッチは白銀の翼の形をしていて綺麗だった。

「綺麗なバッチ…。」

ウイングバッチをバッチケースに収納して鞄の中に入れた。

「そしてこのわざマシンをあげよう。わざマシン51の中にはピジョンが使った技、はねやすめが入っている。これは最大体力の半分の量を回復させられる技だ!」

「ありがとうございます。」

「この先いろんな街にポケモンジムがあるから飛行タイプのポケモンを持つようになったら有効に活用してくれ。次は……そうだな。ヒワダタウンにでも行ってみるといいかもな。」

「そのつもりです。」

「そうか。にしても君のバトルはなかなか凄いな。一体どこでー」

ハヤトさんが続きを話そうとした瞬間、天井から爆発音がした。
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