翌朝、すぐ出れるように旅の支度をしてライボルト達にもうすぐ旅に出る事を伝えた。ウツギ博士とヒビキ君達に全て話してから旅に出ようと思い、1階に降りた。
「! ジルチちゃん、おはよう。」
「ジルチさん!おはようございます!!」
「おはようっジルチさん!」
まさかヒビキ君達が研究所にいると思わなくて驚いた。
「お、おはようございます。ウツギ博士、ヒビキ君、コトネちゃん!」
私が笑顔を見せるとウツギ博士は凄くほっとした顔をしてヒビキ君たちは半泣きになりながら抱きついてきた。
「ジルチさぁん!心配したんすよ!すぐ立ち直れると思わないですけどっ何かあったら俺達に話してくださいっ!!」
「私達、ジルチさんの力になりたいの!」
「わ、わかったから…2人とも、ちょと苦しい…。」
ぎゅうぎゅうと抱きつかれて少し苦しかったけど2人の気遣いに嬉しかった。2人に解放された私は昨日知ったばかりの内容を話した。
「そうだったんだね…。ジルチちゃん、辛くないかい?本当に大丈夫?」
「言い方が悪いかもしれないですけど、カッコよかったっすよ!」
「ジルチさんの金色の瞳が凄く綺麗だった!」
3人は私に拒絶をする事なく、心配してくれたり、素直な感想を言ってくれて安心した。
「みんな、ありがとう。それでね今日、旅に出ようと思う。」
「随分と唐突じゃないか!昨日大変な目に遭ったばかりで1人旅だなんて危険すぎる!」
ウツギ博士が机を叩きながら勢いよく立ち上がった。
「かといってここにいたらまたロケット団達が襲いに来るかもしれない!それに私は強くなるし1人じゃないっ。仲間がいる!!お世話になったウツギ博士に申し訳ないですが、じっとしてるわけにはいかないんです!」
言いたい事を言い終えるとしばらく沈黙が続いた。
「わかった……ただし危険な真似はしない、たまに連絡する事が条件だよ。君に何かあったらシズクさんに申し訳ないしオーキド博士に怒られちゃうよ。」
「…!!ありがとうございますっ」
「親子揃って譲らないところは譲らないね…。」
「ジルチさん!渡したい物があるのでちょっと待っててくれませんか!?」
「コトネちゃん?」
「すぐ戻ってきますからー!」
コトネちゃんは何かを取りに研究所を飛び出して数分後、研究所の扉を勢いよく開けて戻ってきた。開けた勢いで研究員が持っていた資料の紙が何枚か風で飛んでいった。
「はい!ロケット団達はジルチさんの顔がわかってるから、帽子を深く被れば少しわかりにくいと思って!」
コトネちゃんから紺色に近い青色の帽子を渡された。
「私のと色違いでリボンなしですよ!!さぁさぁ!被って被って!」
「あ、ありがとうっ」
1つに束ねてる髪を帽子の中に入れてレッドみたいにちょっと深く被ってみた。
「どうかな?」
「ばっちしです!ジルチさんとても似合ってますよっ」
「さすがジルチさん!!」
「うん、いいんじゃないかな?まるでコトネちゃんのお姉ちゃんみたいだ。」
3人が大喜びするから照れくさかった。2階へ荷物を取りに行って手持ちのボールを装着したベルトを腰に締めた。
「お母さん、行ってきます。しばらくこの部屋に戻らないけどリーグ制覇したら一旦戻るから。」
3つになった写真立てを眺めてから部屋の扉を閉めた。
1階へ戻るとヒビキ君達が私を見送る会と言って盛り上がっていた。
「ジルチちゃん、ヒビキ君みたいにポケモンを連れて歩いてみたら?何かあった時にすぐ動けるし一緒に歩いて旅するのは楽しいと思うよ。」
「それいいですね!どの子にしよかな…。」
ウツギ博士の提案で1匹連れて歩く事にした。一緒に歩くならみんなと歩きたいところだけどそれじゃあ違うし、長年の相棒のライボルトだとホウエンのポケモンだから目立つなぁと考えた結果。
「シャワーズ、一緒に歩いて旅してくれる?」
『キュルー!!』
シャワーズは嬉しそうに私の周りを走ったあと肩に登ってきて頬ずりしてきた。…少しひんやりしてる。
研究所を出て3人はヨシノシティの手前のゲートまで見送ってくれた。
「それじゃあ…行ってきます!」
「いってらっしゃい。気をつけていくんだよ?」
「はい、ありがとうございます。何かわかったら連絡しますね。」
「キキョウシティに着いたらまず連絡してね?」
「はい!」
ウツギ博士と握手をしたあとヒビキ君達が再び飛びついてきた。
「俺も旅に出たらジルチさんを追いかけますね!結局バトル1度も勝てなくて悔しかったんですから!」
「私も!ジルチさんのポケモンまた見せてください!」
「2人ともありがとう。追い抜かれないよう頑張るからね!」
2人に負けじとぎゅうっと抱きしめたあとヨシノシティのゲートに入った。振り返ると3人は手を振っていたので大きく振って別れた。
「まずは1個目のバッチ、キキョウシティ目指すよ!行こうっシャワーズ!」
私とシャワーズはキキョウシティまで走っていった。
途中で短パン小僧と目があったけど、この間マグアラシにこてんぱんにされたのを思い出したのかすぐ目を反らされた。
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