昼御飯はオーキド博士特製のカレーライスだった。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさま。とても美味しかったです。」
「お粗末さまじゃの。」
3人はお昼御飯のカレーを完食して雑談していると窓から声がした。
「おーい!ジルチっ遊ぼうぜ!」
「あ!グリーンくん!」
午後から遊ぶ約束をしたグリーン達が研究所に迎えにきた。
「もう孫と友達になってたのじゃな?」
「うん!レッドくんも友達になったんだよ!」
「うん、ジルチと友達になった。」
グリーンの後ろから窓をのぞき込んでいるレッドが頷いた。
「いい事じゃ!3人とも気をつけて遊ぶんじゃぞ?シズクさん、大丈夫ですかな?」
「えぇ、挨拶しに行ったら遊びに行くと言ってましたので。夕方までに帰ってきなさいよ?」
「わかった!じゃあ行ってきます!オーキド博士、ありがとうございましたっ」
ジルチは椅子から降り、研究所を出てグリーン達と合流した。
「今日なにして遊ぶのー?」
「じゃじゃーん!ポケモン図鑑!今日は旅に出たら仲間にしたいポケモンを考える!」
グリーンが分厚い本を抱えてジルチに見せた。
「オーキド博士が見つけた151匹のポケモンが書いてあるんだって。」
「すごいね!」
「じゃあオレの家に行こうぜ!」
「うん!」
3人はグリーンの家で旅に出たら仲間にしたいポケモン探しという遊びをする事にした。
「こいつすげぇでけぇ!!」
「カビゴン、居眠りポケモン?」
「お腹…つついてみたいねー。」
グリーンの部屋で大きな図鑑を広げ、3人はポケモンの話で盛り上がっていた。少しページをめくった後ジルチはあるポケモンに目が止まった 。
「っ!この子かわいい!」
「おっイーブイか。オレも気になってるんだよな。」
「特定の石を使うと進化するんだって。ジルチはどの子に進化させたいの?」
レッドがイーブイの進化先をどのポケモンにするのか聞いた。次のページにその進化形の説明が載っててジルチはページを何度もめくっては戻っていた。
「んー…進化後もどの子にしてもかわいいから悩んじゃうな…。」
「オレだったら最初に選んだポケモン次第だな!」
「ぼくもそうするかも。」
「レッドもかよー。」
2人の話を聞いているとラクライとならどの子がいいんだろう、同じタイプか逆のタイプかいろいろ考えていた。
「もし、電気タイプのポケモンを持ってたとしたら2人ならどうする?」
「ん?そりゃあ電気タイプの弱点技を使ってくる地面、岩タイプに効く水タイプのシャワーズだな。」
「草タイプもいいけど…イーブイは草タイプに進化しないからね。ぼくもシャワーズかな。」
ジルチの質問に2人は同じ答えを出したのを聞いてシャワーズのページをめくり、説明と写真ジッと見つめた。
「んー…やっぱシャワーズだよねっ」
「ジルチ?」
2人の答えを聞いてシャワーズのページをずっと見ていたジルチを見て、レッドは手持ちに電気タイプのポケモンを入れるのかな?と思った。
「いけね、もう16時じゃん。」
グリーンが部屋の時計を見て言った。
「帰らなきゃね!」
「グリーン、ぼくら帰るよ。」
「そうだな。」
グリーンは図鑑を閉じ、2人を玄関まで見送った。
「またな!ジルチ、レッド。」
「ばいばーい!」
「じゃあね。」
玄関でグリーンと別れたあとレッドと歩きながらポケモンの話をしていた。
「オーキド博士のお庭にいたピカチュウがすごくかわいかった!」
「そうだね。ぼくもかわいいと思ってる。ピカチュウのほっぺは柔らかいよ。」
「ほんと!?今度お庭に行ってピカチュウに会ったらほっぺ触らせてもらおっ」
ジルチは頭を撫でてたピカチュウの事を思い出して微笑んでいた。横目でジルチの顔を見たあとレッドはある事を思いついた。
「…ジルチがまたオーキド博士のとこに行くとき一緒に行ってもいい?」
「いいよ!その時はレッドくんの家に迎えに行くね。」
「待ってる。」
「あ、私の家こっちだからここでお別れだね!」
ジルチが左の道を指さして言った。
「うん。バイバイ、ジルチ。」
「バイバイ!」
ジルチと別れた後レッドはその日が来るのを楽しみにしていた。
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