研究所を出るとさっき話しかけた子達が研究所の前まで来てくれた。
「初めまして!俺、ヒビキです!こいつは相棒のマリル。」
『マリルーン』
マリルというポケモンはヒビキ君の腰辺りまで高く飛び跳ねた。見た感じ水タイプのポケモンかなと思った。
「私はコトネ。よろしくね!」
「ヒビキ君とコトネちゃんだね。わたしはジルチ。今日カントーのマサラタウンから引っ越してきたばかりなの。よろしく!」
お互いに自己紹介をして少し雑談をしているとヒビキ君がマリルを抱えた。
「そうだ!ジルチさん!俺とバトルをしませんか!」
「いいよ!ヒノアラシ、いっておいで!」
私はポケットに入れていたヒノアラシのボールを出して投げた。
『ヒノッ!』
「ヒノアラシいいっすね!ウツギ博士から貰ったんですか?」
「そうだよ!だからヒビキ君が初バトルの相手!」
「負けませんよ!俺はマリルでいきます!」
「わたしだって負ける気はないよ!!」
「それじゃ、ヒビキ君とジルチさんのバトル開始ー!」
コトネちゃんのバトル開始宣言でわたし達のバトルは始まった。ジョウトで初めてのバトルだから少し心が踊った。
「ヒノアラシ、先手必勝!たいあたり!」
『ヒッノ!』
ヒノアラシはまっすぐ駆け出してマリルにたいあたりをした。
『マリッ』
マリルはたいあたりを受けてぽよんぽよんと地面を跳ねていった。
「マリル、頑張れ!こっちもたいあたりだ!」
マリルは体勢を整えてヒノアラシへたいあたりをしに向かてきた。
「ヒノアラシ、ギリギリまで引っ張ってから右に避けて!」
ヒノアラシは指示通りにマリルのたいあたりが当たらないように右に避けた。
「うん、よく避けたね!次はえんまく!」
ヒノアラシはマリルの横からえんまくを出してマリルの視界を悪くした。
「やりますね…!マリル、えんまくが消えるまでまるくなるんだ!」
マリルは身体を丸めて守りの体勢に入った。
「(やっぱ守りに入るよね…)なら攻めるまで!ヒノアラシ、守りを崩すよ!たいあたり!」
守りの構えのマリルにあまりダメージは与えられなかったけど確かなものはあった。えんまくが消えかかった頃を計って守りを解いて攻めてくるだろうと思い、警戒しながらたいあたりで攻めた。
「ヒノアラシ、あと少しだと思うから頑張って!」
「えんまくは消えかかっているから耐えるんだ、マリル!」
わたし達の呼びかけに応えるようにポケモンたちは頷いた。そしてえんまくが消えかかり、視界がよくなった途端、ヒビキ君が指示を出した。
「よし、今だ!マリル、たいあたりだ!」
消えかかったえんまくの中からマリルが勢いよく飛んできた。
「やっぱりね!迎え撃って、たいあたり!」
ヒノアラシはマリルに迎え撃つ形でたいあたりをしてお互い後方へ飛ばされた。
『ヒノッ』
『マリッ』
ダメージがあまり与えられていないヒノアラシは受け身をとったが、マリルはえんまくの中のたいあたりのダメージが効いてそのまま倒れた。
「勝者、ジルチさん!」
コトネちゃんの勝利宣言を聞いて私は「ふぅ…」と息を吐いてヒノアラシに近づいた。
「ヒノアラシ、お疲れ様。ヒビキ君とマリルもお疲れ様!」
「ジルチさんもお疲れ様っす!いいバトルありがとうございます!!マリル、負けちまったなー。」
ヒビキ君はマリルを抱いて悔しそうに話しかけた。
「それにしても指示の出し方がすごいですね!ジム戦余裕じゃないですか?」
「ほんとすごかった!ジルチさんカッコいい!!」
「2人ともありがとう!落ち着いたらジョウトのジムを巡ってチャンピオンリーグ目指すの!」
「「おぉ…!!」」
2人はわたしの目標に声を揃えて感動した。ヒノアラシの頭を撫でてこれから旅をしてジムに挑む子達だからしっかり育てようと思った。レッドのヒトカゲに負けないくらい強くなろう。
バトルしている間に日が傾いていて空が茜色に染まりかけていた。研究所から出てきてお母さんに晩御飯の時間と声をかけてきた。
「そんな時間になってたんだ!それじゃ、2人とも今日はありがとう。また遊ぼ!」
「はい!ジルチさんまたバトルしてください!!」
「引っ越す前の事また話してくださいねー!」
「いいよー!」
2人にまた遊ぶ約束をして晩御飯が待ってる研究所へ帰った。
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