爽やかな風が通り、草木が生い茂る穏やかな森はポケモン達が楽しげに鳴いている。そんな緑豊かな場所が突如騒々しくなった。
「おいっレッド!!どういう事だ!!」
茶髪の少年が隣にいる帽子を被ったレッドという少年に走りながら怒鳴った。
「知らないっ!グリーンが草むらに小石を投げたからだろ!?」
レッドは事のきっかけを作ったグリーンに怒鳴り返した。
「コラッタ1匹ならまだよかったさ!まさかラッタがあんなにいると思わないだろっ!?」
「そうだけどさっ!何の確認もしないで投げるっ!?」
全力疾走をする2人を鬼の形相をしているラッタの集団が追いかけていた。グリーンが草むらにいるコラッタに向けて投げた小石が、運が悪く親のラッタに当たってしまったのだ。その結果ラッタを怒らせてしまい、2人は縄張りにいた怒り状態のラッタ集団に追いかけ回される事になった。
「レッド!あそこっ森を抜けるぞ!」
「このまま逃げ切ろうっ」
草木が開いた道から森を抜けれると思って真っ直ぐ駆け抜けようとしたがー
「「あ」」
その先は崖だった。
「(やべぇ…!)」
「(このままじゃ…落ちるっ!!)」
気づいた時には時すでに遅し、崖を掴めずそのまま落下していった。
「「うわぁぁぁぁあっ!!」」
崖から落ちれば間違いなく命はない。ポケモンを持たずに森に入った事を後悔しつつ、2人はもうダメだと思って目を固く瞑った。
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