水の都の巫女 | ナノ


05

 着付けが終わり、舞妓さんたちにお礼を言って外へ出た。下駄は初めて履いたので1歩進むのに苦労した。

「お待たせしました!」

外で待ってくれた2人に声をかけたら「おぉ…」と言われた。

「ジルチちゃん似合ってるね。ハヤトが見惚れているよ」

「ありがとうございます。…え?」

ハヤトさんが?と思って見ると頬を少し赤くなっていた。

「ジルチ、凄く綺麗だ…!!」

「ハヤトさん、ありがとうございます!」

「…あぁ」

まじまじと見るとハヤトさんにそっぽ向かれてしまった。

「じゃあ行こうか。あそこなら歌舞練場から遠くないし、いつものお茶缶あるからハヤトもそこでいいだろ?」

「もちろん」

「もしかしてあの時のお茶と羊羮はそこのお店のですか?」

「そうだ。前の日にエンジュへ遊びに行った帰りに買った物だ」

またあの美味しいお茶と羊羮が食べれるのかと思うと嬉しくなった。
マツバさんの案内でお店に着いて、当店オススメお茶セットを注文した。

「お茶セットでございます」

「おぉ…!」

羊羮と抹茶あんみつがセットになっていてとても美味しそう。

「いただきます!!」

あんみつの白玉がもっちりしてて抹茶の風味が口の中に広がった。

「んーっ美味しい!」

「それはよかった」

「あの時と同じで美味しそうに食べているな。見ているこっちも嬉しくなる」

私たちは楽しくて美味しいお茶会をして1日を過ごした。

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