02
俺はジルチが起きるまで待つことにした。ゲンガーが持ってきてくれたお茶を飲みながらマツバと雑談をしていた。
「ハヤトはジルチちゃんの事どう思ってる?」
「ごふっ」
唐突な質問にお茶を吹きかけた。
「…すまない、そういう意味じゃないから。素直な感想で構わない」
「……ジルチは妹のような感じだな」
3ヶ月ぐらい一緒に過ごしたが、ジルチは強いけれどどこか危なげな感じがして、いざという時は助けがいる…そんなところだ。
「そうか。…チョウジタウンに凶兆が見えた。その原因がロケット団とジルチちゃんだ」
「!!」
「詳しくはわからないがジルチちゃんがチョウジタウンに行ってはいけない気がするんだ。何か取り返しのつかない事が…。一応リーグにはチョウジタウンに良くない事が起こるかもしれないとは言ったけどね」
チョウジタウンは7つ目のバッチ、アイスバッチがあるからジルチは絶対に行く。
「ジルチにその事を言うのか?」
「もちろん。ホウオウの事もそうだけど知った方がいい」
マツバとの会話が落ち着いたところでジルチが寝ている布団が動いた。
「ん……」
「ジルチ、目が覚めたか!」
「大丈夫かい?僕のゲンガーが…すまない」
まだ寝ぼけているのか呆然としていた。
「……」
「ジルチ?」
「ハヤト、さん…?はっ!」
ジルチは布団から飛び起きて周りを見渡した。
「ここは…!」
「僕の屋敷」
「マツバさんの?どうしてですか?」
「少し長くなるけど、いいかな?」
ジルチは黙って頷いてマツバは話し始めた。
prev / next