水の都の巫女 | ナノ


34

 ウバメの森に入ると中は木々が鬱蒼とおいしげって空が見えないくらい薄暗かった。

「さて…会えるかわからないけどセレビィのことと思われる森の神様を祀っている祠を探そうかな」

薄暗い森の中を歩いていると木を切れば通れそうな場所があったのでマグマラシに切ってもらった。

「ホーホーはカントーでゆうポッポの立ち位置みたいね。さすがに薄暗いからズバットの姿を見かける…」

草むらと木々には虫ポケモンがたくさんいて図鑑にその事を記入していった。
しばらく歩くと森が少し広くあいている場所があって、周りを見ると奥に小さな祠があった。

「あった。これが森の神様を祀った祠…。さすがにセレビィはいない、か」

私は鞄の中にあった木の実を3個ほどお供えした。

「幼い頃、花の冠作ってくれてありがとう。ドライフラワーにして部屋のドアに飾ってあるよ。またいつか会えるといいね」

拝んで先に進もうと歩き始めたとき、どこからか綺麗な鈴のような音が聴こえた。


 ウバメの森を抜けた頃には夕日が沈みかかっていた。
34番道路を歩いていると懐かしい声が後ろから聞こえてきた。

「ジルチさーん!」

後ろを振り返るとマリルを連れたヒビキ君が走ってきた。

「ヒビキ君、久しぶり!」

「お久しぶりです、ジルチさん!!これからコガネシティに行くんすか?」

「そそ!コガネシティで1泊してからジム戦挑んでまた次のジム目指すよ」

「流石っすね!時間があったらコガネ百貨店とラジオ塔行ってみてください。いろんな物売ってますしラジオカード貰えるんですよ!」

「ラジオカード?」

「ポケギアの拡張カードでポケギアでラジオ聴けるようになるんですよ!あ、ジルチさんポケギア持ってますよね?番号教えてください!」

ヒビキ君がポケットからポケギアを取り出したので私もポケギアを出した。

「ん、登録したよ!これ番号」

「ありがとうございます!何かあったりバトルしたくなったら電話かけていいですか?」

「いいよ!それじゃあね、ヒビキ君。今日コガネシティに着いたら百貨店行ってみるよ!」

「はい!俺はしばらくこの辺りでバトルしてます!」

ヒビキ君と別れて、夜にコガネシティへ着いた。
今まで行った町と違ってここは高いビルが建っていて大都会だった。

「シャワーズ見て!人がいっぱいで建物の光が綺麗!」

私は初めての都会に感動した。
シャワーズは私の肩まで登ってきて景色を見ていた。
夜だと電光掲示板がキラキラ輝いてて綺麗だった。

「おっ姉ちゃんのシャワーズえらいべっぴんさんやな!」

「!?」

後ろから知らないお兄さんに話しかけられてビックリした。

「ありがとうございます。イーブイの頃に友人から譲ってもらいました。その時に別の友人から水の石をいただきました」

「ほぉ〜そうやったんか!イーブイ好きとしてそれは嬉しい話やわ。大切にしてな、ほな!」

イーブイ好きのお兄さんは街の人混みの中に消えた。

「そう言えばグリーンから貰ったイーブイって元はオーキド博士のイーブイ好きの友人から譲って貰ったって言ってたっけな…」

さっきのイーブイ好きのお兄さんがその人と同一人物かはわからないけどまた会えそうな気がした。

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