水の都の巫女 | ナノ


アルフの遺跡調査(27話後)2

 船で少し渡った所にもう1つの遺跡があった。

「あかん、無理、酔った…」

船から降りたあとゴールドさんが顔を真っ青にして地面に座り込んでいた。
バクフーンはゴールドの背中をさすっていた。

「フン、情けない奴め」

「ジルチ、ゴールドを置いて先に行きましょ」

「え、大丈夫ですか?」

「大丈夫よ」

本当に大丈夫なのか…と思ってゴールドさんを見ると手を振っていた。
…どうやら行っていいらしい。

遺跡の中はある程度整備されてて周りをしっかり見渡せるほど明るかった。しかし、なんだろう…妙な気配がする。
部屋の真ん中に行くと半分近く未完成の石版があった。

「私、調べるのは好きだけど石版を組み合わせるのが苦手で…この状態のままなの。ジルチさん、石版完成させれそう?」

「…やってみます!」

石版の前に立つとシルバーさんがひもを持っていた。

「あなぬけのひも、腰に巻いておけ。親子揃って何も持たずに落ちられても困るからな」

「ありがとうございます」

あなぬけのひもを受け取り、腰に巻いて余ったひもをシルバーさんに持ってもらった。
半分組み合わされた石版を見てるとどこかで見覚えがある形だった。
研究所近くの遺跡の石版がカブトだったから化石ポケモンに関係があるはず。大きな翼がある化石ポケモン…そうだ。

「この石版…プテラだ」

正体がわかれば簡単。その姿になるよう組み合わせればいい。
黙々と石版を組み合わせていくとプテラの姿が現れた。

「よし、完成し…」

「た」を言う前に足場が崩れて消えた。

「うわぁぁぁあっ!!?」

言うまでもなくそのまま落ちていった。シルバーさんがひもを掴んでいたので地面にぶつからずに済んで助かった。

「あなぬけのひも結んでてよかったね、シルバー」

「全くその通りだ」

上から「落ち方が親子と一緒かよ。石版が完成させたら床が抜けると言っただろ」とシルバーさんの愚痴が聞こえた。

prev / next

[ 目次に戻る ]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -