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ワカバタウンへ着くと警察やみんなが外で集まっていた。
「一体、何があったんですか!?」
私に気づいた研究員が事の事情を話してくれた。
「外で大きな音がして……博士と見に行った隙にポケモンを盗まれたようです……」
「盗まれたぁ!?」
大声を出すと近くにいた警官がやって来た。
「何だねキミは?今ポケモン盗難事件の取り調べ中なのだが…。捜査の法則その1"犯人は現場に戻る"という事はまさか!キミが!犯人!?」
「………」
本日2度目のカチンときた。怒りでわなわなと震えているとコトネちゃんがやって来た。
「ちょっと待って!ジルチさんは関係ありません。あたし見たんです。真っ赤な髪の男の子がここを覗いているのを!!」
「そうなのかい?」
真っ赤な髪の男の子と聞いて、さっきの出来事を思い出した。
「まさかさっき喧嘩売ってバトルをしかけてきた赤髪の…少年?」
私は警官に29番道路の手前でその少年とバトルした事を話した。盗まれたポケモンとバトルをしたポケモンが同じだったから私は同一人物だと思った。
「でキミはそんな少年と戦ったというのかい?」
「一方的に喧嘩を売られたので一方的に攻撃して10倍返しにしました。手持ちはワニノコでした」
「ふーむという事は犯人はその人物か……ところでその少年はどんな名前かわかる?」
「カントー出身のソウルという名前です」
「なるほど!ソウルというのだね!ご協力ありがとう!本官の次なる行動は赤髪の人物を追え!というわけだな!」
さらばだ!と言って警官はどこかへ行った。待て、疑った事に関して謝罪なしか!
「ジルチさんの疑いが晴れてよかったですね!」
「ウツギ博士から戻ってきてって言われて来たのにこの仕打ちはない…」
ため息をついてるとウツギ博士が慌ただしくやって来た。
「ジルチちゃん……大変な目に遭ったよ……。はぁ…盗まれたポケモン今頃どうしてるだろう……。悪い人に育てられると悪いポケモンになるっていうし……」
「この数十分で私も大変な目に遭いましたよ…。盗まれたのワニノコですよね?バトルをする時、少年に怯えている様子でした」
「いきなり連れ出されてバトルさせられたら怯えるよ…」
「…旅の途中で少年を見つけたら研究所へ返すよう説得してみます」
「ジルチちゃん、ありがとう。頼んだよ」
「はい。ではアルフの遺跡に行ってきます」
「いってらっしゃい。気をつけるんだよ」
旅でポケモン盗難事件の犯人を見つける事も増えたけどあの少年は世界で1番強いトレーナーになると言っていたからジム巡りしてたらまた会うだろうと思った。
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