水の都の巫女 | ナノ


25

 ロケット団襲撃から3ヶ月ほど経ってジムの修理は終わった。左腕の怪我も治って私は旅の続きをしようと思い、その事をハヤトさんに伝えた。

「ジムの修理手伝ってくれてありがとう。ロケット団はキキョウシティから出ていったようだから安心してくれ」

「どういたしまして。3ヶ月間、お世話になりました!」

「また家に来てくれても構わない。君なら歓迎しよう!それと…これはお礼だ。受け取ってほしい」

ハヤトさんはちゃぶ台の下に置いてたコガネ百貨店と書かれた紙袋を私に渡した。
中を見ると修行後によく食べたお菓子と小さな包みがあった。小さな包みの中身が気になり、紙袋から取り出して包みを開けると羽の形をしたバンスクリップで綺麗な髪飾りがあった。

「ウイングバッチに似て綺麗な羽の髪飾りですね!ありがとうございます!!」

私は早速、羽の形をした髪飾りをつけてみた。うん、つけ心地は悪くないし首回りがスッキリした。
ハヤトさんはその様子を満足げに見ていた。

「うん、似合ってる。さて、玄関まで見送るよ」

玄関を出るといつも通りいい天気だった。いい旅日和になりそう。

「このあとはヒワダタウンに向かうのか?」

「ヒワダタウンに向かう前にアルフの遺跡へ寄り道します。アンノーン文字が気になるので!」

「そうか。じゃあ…君の旅の健闘を祈るよ」

「ありがとうございます。それでは行ってきます!」

私はハヤトさんと別れ、キキョウシティから32番道路のゲートを通ってアルフの遺跡へ向かおうとした時、ポケットに入れてたポケギアが鳴った。

ポケギアを見るとウツギ博士からだった。何かあったのかと思い、電話に出るとウツギ博士が慌ただしい声が聞こえた。

[ジルチちゃんかい!?た、大変なんだ!!えー、えーと何がなんだか……。どうしよう……]

「ちょ、ウツギ博士っ落ち着いてください!」

[とにかく大変なんだよ!すぐ戻ってきてよ!!]

ガチャッと電話が切れてしまった。
とりあえず研究所で何かがあったんだと思い、急いでワカバタウンへ向かった。


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