水の都の巫女 | ナノ


17

 天井の爆発音で上を見上げると大きく穴が開いていて天井の瓦礫や破片が落ちてきた。

「なっ!?」

「ハヤトさんっ危ない!」

私は落ちてきた瓦礫からハヤトさんを助けるべく、飛び込んだ。

「すまない、助かった。一体何が!?」

「天井が…破壊された?」

私たちが天井を見上げると黒いヘリコプターが飛んでいて、2本のロープから黒服の男が2人降りてきた。服の胸元に赤いRの文字が書かれていた。

「ロケット団…!!」

私は険しい顔をしながらロケット団を睨んで、マグマラシとシャワーズもロケット団を威嚇していた。

「ロケット団だと!?リーグから最近ロケット団がジョウトで見かけるから要注意とは聞いていたが…まさかジムを襲ってくるだなんて!」

「おっと勘違いしないでくれよジムリーダーさん。俺達はジムを乗っ取ろうとか考えちゃいねぇよ。用があるのはそこにいる小娘だ」

「この子だと?」

ハヤトさんは何故?とゆう顔をして私を見たけど、私はロケット団を睨んだまま答えなかった。
すると1人の団員がゴルバットを出していた。

「とりあえずジムリーダーに邪魔されたら困るので退場してもらう。ゴルバット、ジムリーダーをここからふきどばしてしまえ!」

ゴルバットは翼を大きく羽ばたかせ、ハヤトをジムの外へ吹き飛ばした。

「しまった…!」

外へ飛ばされた瞬間、ハヤトはジム戦用のポケモンしか持ってきてなくて、とっさに飛べる手持ちがいなかったことを後悔した。このままでは…!と覚悟をしていた時だった。

「ハヤトさん!!私の手に、掴まってください!」

ジルチがジムから飛び出してハヤトに手を伸ばした。
その手を掴んだハヤトはこの子は手持ちに鳥ポケモンがいるのか?と考えているとジルチの瞳が金色になり、背中に翼が生えていた。
突然の出来事でびっくりしているうちにジムの中まで運んでくれた。フィールドに降り立つと翼が消え、金色から元の緑色の瞳に戻った。

「…大丈夫ですか?」

私は飛び出した際に飛んだ帽子を拾い上げて深く被り直した。

「大丈夫だ、ありがとう。2度も助けられたな」

「気にしないでください。で、ロケット団…私に何の用?」

マグマラシたちはいつでも戦闘可能な状態で構えていた。そんな私たちを見てロケット団の2人は笑った。

「そんなの決まってるじゃねぇか!前回失敗した連中の代わりにリベンジしに来たんだよぉ。今度こそ連れていかせてもらうぜ!!」

そのロケット団員はベトベトンを出した。

「そんなのお断りよ!!マグマラシ、シャワーズっ返り討ちにするよ!」

合図と共に2匹はゴルバットとベトベトンに攻撃をし始めた。ジム戦後もあってマグマラシがやや遅れを取っていた。

「マグマラシ、えんまくで距離を置いて戻ってきて!ライボルト、2匹まとめてかみなり!!」

マグマラシはえんまくを放ったあと、ジルチの元に戻った。入れ替わりにライボルトを出してえんまくの中にいる2匹をまとめてかみなりを落として気絶させた。

「つ、強い!」「撤退だ!!」

2匹が戦闘不能になり、打つ手がなくなったかしてヘリコプターと繋がっているロープに掴まって、ロケット団は早々に逃げ去っていった。


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