16
ポッポとシャワーズのバトルはすぐ決着がついて最後の1匹になった。
「いけっピジョン!」
シャワーズに連戦させるのも悪いと思い、マグアラシを出した。
「マグマラシ、勝つよ!」
ポッポの進化系のピジョンは速さがあったはず…と考えているとピジョンがたいあたりしにマグマラシに近づいていた。
「…マグマラシ、避けてえんまく!」
マグマラシはピジョンの攻撃を避けてえんまくを放った。
「ピジョンのするどいめにえんまくは通用しない!えんまくごとマグマラシを吹き飛ばせ!かぜおこしっ」
ピジョンがかぜおこしをして、えんまくと共にマグマラシが飛ばされた。
「っ!!マグマラシ、大丈夫?」
『クルル!』
マグマラシは体勢を整えて大丈夫だと言わんばかり身体の炎を燃やした。
「うん、わかった。たいあたり!」
マグマラシのたいあたりが当たってピジョンは空中でよろけたがすぐ持ち直した。
「……(このピジョン、手強い!)」
「ようやく風にのって来たところさ!ピジョン、もう一度かぜおこしだ!」
マグマラシに再びピジョンのかぜおこしが襲う。
「(このままだと、かぜおこしで徐々に体力削られてしまう!)マグマラシ!全力で走ってかえんぐるまでかぜおこしを突破するよ!」
かぜおこしに押されながらマグマラシは、ピジョンから少し距離を置いてから炎を燃やしつつ走ってかえんぐるまをした。助走をしたかえんぐるまの回転は速く、かぜおこしの中でも速度が落ちずにピジョンの所まで届いて命中した。
「よし!」
「なっ!?」
ハヤトさんはまさかかぜおこしを突っ切ってくるとは思わなかったらしい。2度目のかえんぐるまがピジョンに大ダメージを与えた。
「まだまだ飛べるぞっ!ピジョン、はねやすめだ!」
ピジョンはフィールドに降りて羽を休めた。
「しまっ…体力を回復されるのはまずいっ!マグマラシ、羽を休めているピジョンの周りにひのこを放って!!」
マグマラシはピジョンの周りをひのこを放ち、炎で囲った。
「何をするつもりかわからないけど…ピジョン、すなかけで炎を消すんだ!」
ピジョンはすなかけで周りの炎を消そうとした。その時、ハヤトはジルチが不適な笑みをしているのを見た。
「地に降りた鳥が上から攻撃されそうになった時、周りに逃げ場はあるかな?」
「まさか!!」
ハヤトが気づいた時にはマグマラシはピジョンの真上でかえんぐるまの体勢になっていた。
「ピジョン!避けろ!!」
ハヤトの指示でピジョンは避けようとしたが周りの炎が邪魔で身動きがとれなかった。
そのまま上からマグマラシのかえんぐるまが降ってきて、ピジョンは避ける事が出来ずまともに攻撃を受けてしまった。その際、砂ぼこりが舞って炎は消火された。
「ピジョン!」
砂ぼこりが消えるとそこには気絶したピジョンと傷だらけになりながらも誇らしげに立つマグマラシがいた。
「わかった……潔く地に降りるよ。いや、降ろされたに近いかな…君の、勝ちだ」
ハヤトはピジョンをボールに戻して、マグマラシは私に向かって走ってきた。
「…勝った!やったねっマグマラシ!!シャワーズもお疲れ様!」
走ってきたマグマラシを抱きしめてシャワーズは頭の上まで登ってきてジム戦の初勝利を喜んだ。
「……畜生、父さんが大切にしていたポケモンが……。だが負けたものは仕方ない。ジムを突破した証としてポケモンリーグ公認のジムバッジを持っていけよ!俺から君に贈るのはこのウイングバッジだ!」
私はハヤトからウイングバッジをもらった。白銀の翼の形をしていて綺麗だった。
「綺麗なバッチ…」
ウイングバッチをバッチケースに収納して鞄の中に入れた。
「そしてこのわざマシンをあげよう。わざマシン51の中にはピジョンが使った技、はねやすめが入っている。これは最大体力の半分の量を回復させられる技だ!」
「ありがとうございます」
「この先いろんな街にポケモンジムがあるから飛行タイプのポケモンを持つようになったら有効に活用してくれ。次は……そうだな、ヒワダタウンにでも行ってみるといいかもな」
「そのつもりです」
「そうか。にしても君のバトルはなかなか凄いな。一体どこで…」
ハヤトさんが続きを話そうとした瞬間、天井から爆発音がした。
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