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すぐ警察が来て男たちは連れていかれた。あの2人はロケット団とゆうカントー地方を拠点に置いていた悪党集団の団員だった。
3年前に解散したロケット団がジョウトで密かに活動しているかもしれないと警察に言われた。
そのあとお母さんの葬儀をして、研究所の横にお墓を作ってもらっているうちに夜になっていた。
私はお母さんを助けれなかった事が、悔しかった。後悔してもお母さんは、帰ってこない。
お母さんは「前を向いてどんなことがあっても立ち向かって」と言った。
すぐ立ち直れるわけじゃないけど、前を向いて立ち向かわなきゃ。
ここで立ち止まっても何も始まらない…。
「お母さん、助けてくれてありがとう。お母さんの事、助けれなくてごめん、なさい…。私は前、向くよ。ジム巡りしながらポケモンやいろんな研究をする旅に出るよ。」
お墓の前でこれからのこと話したあと後ろからウツギ博士に声をかけられた。
「ジルチちゃん…部屋へ戻ろう。夜風は身体に障るよ。部屋に軽く食べれるもの置いてあるから食べてね。それから…話は落ち着いてからで大丈夫だから…」
「ありがとうございます、ウツギ博士。私は大丈夫と言い切れませんが大丈夫です」
「それ大丈夫と言わないよね?」
「ふふ、そうですね。明日、お話しします」
「…わかった。さ、戻ろう?」
「はい」
私とウツギ博士は研究所へ入った。
「あとでホットミルク届けるね」
「ありがとうございます、部屋で待ってます」
私は2階の部屋へ戻ると、机の上にパンとジャムがあるのを確認した。
そのままベッドに倒れこんでため息をついた。
能力を久しぶりに使った、多くの人の前で。
「そういえばお父さんの手紙を読んでって言ってたっけ…」
ノックの音が聞こえてベッドから起き上がると、ウツギ博士がホットミルクを届けに来た。
「電気、つけるよ?」
「あ、すみません…」
部屋に入ってから電気をつけずにベッドへ倒れこんでしまったから部屋が薄暗かった。
ウツギ博士はドアの近くにあるスイッチを押して机へ向かった。
「机に置いておくね。…じゃあおやすみ」
「ありがとうございます、おやすみなさい」
控えめにドアを閉めてウツギ博士は下へ降りていった。
「…お母さんの部屋にいこう。お父さんの手紙読んでみよう」
私はパンとジャムがのったおぼんにマグカップをのせて隣のお母さんの部屋へ向かった。
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