07
ジョウトへ引っ越して、あっとゆう間に3年経った。
ジルチはシズクの研究を手伝いながら手持ちメンバーを育てていた。
その結果、ヒノアラシがマグマラシに、イーブイを水の石でシャワーズに進化した。
ラクライは…ラクライのままだった。
周りが進化していくのを羨ましそうに見ていたラクライをジルチは頭を撫でて慰めた。
「ラクライの進化は次で最後って図鑑に書いてたから3段階進化があるマグマラシより時間がかかるんだと思う。だから落ち込まないで?」
『クゥー…』
「…そうだ、マグマラシとバトルしよ!私の勘だけどもうすぐラクライは進化できそうな気がするの!特訓!特訓!落ち込んでたままじゃ進化できないよ!」
慰めの言葉をかけてもラクライは落ち込んだままで私はラクライを外へ誘った。
ラクライはこのままじゃダメだと思い、頷いた。
「研究も進んできたし、ジョウトの生活も慣れてきたからそろそろジム戦の旅に出よう!そうと決めたらお母さんに話さなきゃねー」
私は机に置いてた手持ちのボールをベルトに装着してラクライと外へ出た。
研究所の前の広いところでマグマラシのボールを投げた。そのあとにシャワーズを出した。
「シャワーズは観戦ね」
シャワーズの頭を撫でてラクライとマグマラシに向かって話しかけた。
「ラクライ!マグマラシは前より火力と防御が上がってるよ!全力でかかっていきなさい!」
『ワゥ!』
「マグマラシ、ラクライは進化前といえど雷の威力は上がってきてるし、速さはマグマラシよりある!レベルはラクライの方が上だから油断しないでよ?」
『クルル!!』
2匹は私の話を聞いて頷いた。ラクライは静電気をバチバチ鳴らし、マグマラシは炎をゴォォと火力を上げた。戦闘の準備は完了だ。
「お互いの技をぶつけ合い、避けて小さな隙を見逃すな!始め!!」
2匹の全力の戦闘とそれぞれの行動を指示しながら観察をしているジルチを遠くから見つめる黒服の男たちがいた。
「……ターゲット2の確認」
「母親は研究所にいるようだな。まず娘を狙うか?」
木々に隠れて双眼鏡で遠くにいるジルチを見ながら男達は話していた。
「そうだな…3匹のポケモンが邪魔だが俺達が支給されたポケモンでなんとかなるだろ。所詮子供のポケモンだ。そう強くないだろ」
「でもあの娘ってポケモンの技が使えるんだろ?大丈夫なのかよ?」
「その為のこの装置だろ?まだ試作品らしいが…」
一人の男が持っていた袋からリング型の機械を取り出した。
「確か…ポケモンの動きを制御する装置だったな。効果があれば安全に娘を連れていける」
「上手くいかなかったら?」
「…随分と心配性だな。多少怪我を負わせても構わないから生け捕りにしろとランス様が仰ってたからそうする」
「了解。多少暴れても大丈夫そうだな。ここが人の少ない町でよかったぜ」
「といっても大事にはするなよ?じゃあ作戦開始だな」
男達は双眼鏡をしまってボールを片手に構え、研究所の前でポケモンたちと特訓しているジルチに近づいた。
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