水の都の巫女 | ナノ


04

 晩御飯を食べ終わって部屋へ入ろうとした時、お母さんに呼び止められた。

「昼間、ウツギ博士がジルチにって渡してくれたの」

お母さんは少し古ぼけた冊子を私に渡した。

「…"森の神様の伝説"?」

私はジョウトの伝承のものかと思い、冊子をめくってみるとそこにはセレビィについて書かれていた。

「これ、セレビィの事が書いてある!」

「そうよ。私も読んでみたけど面白かったわ」

「ありがとう!明日ウツギ博士にお礼言うね!」

「うん、読んでて夜更かししたらダメよ?」

「わかってる!おやすみ、お母さん!」

私は部屋に入って早速1ページ目からちゃんと読み始めた。

[森と共に生き、そこに住む者達は森を大切にしてきた。
ある日、森に穢れが溢れ、民は穢れを抑える為に祈りを捧げた。
そしてその民達の元に1匹のポケモンが現れた。
そのポケモンは森の中を飛び回ると穢れた森が徐々に浄化されていった。
浄化された森を見てポケモンは綺麗な音共に姿を消した。
民達はそのポケモンに感謝し、森の神様の祠を建てた。
浄化された森は平和と美しさを永遠に保った。]

「…その森が今のウバメの森の可能性がある…か」

冊子の最後に真新しい付箋があってこの伝承の解説が一部書いてあった。

「ウバメの森って…ヒワダタウンの手前にある大きな森だっけ…?」

壁に貼ってあるタウンマップを見て確認をした。ウバメの森はヒワダタウンと34番道路の間にあった。

「コガネシティのジムを目指すのに通る場所だからその時に祠を探してみようかな?花の冠のお礼をもう一度言いたいし」

んーっと背伸びをしてベッドに寝転がった。

「明日は29番道路のポケモンを調べながらヒノアラシとイーブイの特訓しよっと!よろしくね、2匹とも」

机に置いてある2匹のボールに話しかけるとカタカタと反応があった。

「それじゃあ、おやすみ」

電気の紐を引っ張って暗くしたあと眠った。


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