03
研究所を出るとさっき話しかけた子たちが研究所の前まで来てくれた。
「初めまして!俺、ヒビキです!こいつは相棒のマリル」
『マリルーン』
「私はコトネ。よろしく!」
「よろしく、ヒビキ君、コトネちゃん。私はジルチ。今日カントーから引っ越してきたばかりなの」
お互いに自己紹介をして少し雑談をしているとヒビキ君が「ジルチさん、俺とバトルをしましょ!」と言った。
「いいよ!ヒノアラシ、いっておいで!」
私はポケットに入れていたヒノアラシのボールを出して投げた。
『ヒノッ!』
「ヒノアラシいいっすね!ウツギ博士から貰ったんですか?」
「そうだよ!だからヒビキ君が初バトルの相手!」
「負けませんよ!俺はマリルでいきます!」
「こっちこそ!!」
「それじゃ、ヒビキ君とジルチさんのバトル開始ー!」
コトネちゃんのバトル開始宣言で私たちのバトルは始まった。
「ヒノアラシ、先手必勝!たいあたり!」
『ヒッノ!』
ヒノアラシはまっすぐマリルに向かってたいあたりをした。
『マリッ』
マリルはヒノアラシのたいあたりが当たり、ぽよんぽよんと飛んでいった。
「マリル、頑張れ!こっちもたいあたりだ!」
マリルは体勢を整えてヒノアラシへたいあたりをしに向かった。
「ヒノアラシ、ギリギリまで引っ張ってから右に避けて!」
ヒノアラシは指示通りにマリルのたいあたりが当たらないように右に避けた。
「うん、よく避けた!次はえんまく!」
ヒノアラシはマリルの後ろからえんまくを出して、マリルの周りはえんまくで視界が悪くなった。
「やりますね…!マリル、えんまくが消えるまでまるくなるんだ!」
マリルは身体を丸めて守りの体勢に入った。
「(やっぱ守りに入るよね…)なら攻めるまで!ヒノアラシ、守りを崩すよ!たいあたり!」
守りの構えのマリルにあまりダメージは与えられなかったけど手応えはあった。
えんまくが消えかかった頃を計って守りを解いて攻めてくるだろうと思い、距離を取りつつたいあたりで攻めた。
「ヒノアラシ、あと少しだと思うから頑張れ!」
「えんまくは消えかかっているから耐えるんだ、マリル!」
私達の呼びかけに応えるようにポケモンたちは頷いた。
そしてえんまくが消えかかり、視界がよくなった途端、ヒビキ君が指示を出した。
「よし、今だ!マリル、たいあたりだ!」
消えかかったえんまくの中からマリルが勢いよく飛んできた。
「やっぱりね!迎え撃って、たいあたり!」
ヒノアラシはマリルに迎え撃つ形でたいあたりをしてお互い後方へ飛ばされた。
ダメージがあまり与えられていないヒノアラシは受け身をとったが、マリルはえんまくの中のたいあたりのダメージが効いてそのまま倒れた。
「…勝者、ジルチさん!」
コトネちゃんの勝利宣言を聞いて私は「ふぅ…」と息をはいてヒノアラシに近づいた。
「ヒノアラシ、お疲れ様。ヒビキ君とマリルもお疲れ様!」
「ジルチさんもお疲れ様っす!いいバトルありがとうございます!!」
ヒビキ君はマリルを抱いて「負けちまったなー」と話しかけた。
「それにしても指示の仕方がすごいですね!ジム戦余裕じゃないですか?」
「ほんとすごかった!ジルチさんカッコいい!!」
「2人ともありがとう!落ち着いたらジョウトのジムを巡ってチャンピオンリーグ目指すの!」
「「おぉ…!!」」
2人は私の目標に声を揃えて感動した。
バトルしている間に日が傾いていて空が茜色に染まりかけていた。
研究所からお母さんが出てきて「晩御飯できたよー!」と声をかけてきた。
「そんな時間になってたんだ!それじゃ、2人とも今日はありがとう!また遊ぼ!」
「はい!ジルチさんまたバトルしてください!!」
「引っ越す前のことまた話してくださいねー!」
「じゃあねー!」と2人に言って晩御飯が待ってる研究所へ帰った。
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