水の都の巫女 | ナノ


28

 旅立ちの当日、オーキド博士に呼ばれて研究所に来た。そこにはレッドくんたちもいて、手にはポケモン図鑑があった。

「ジルチ!来たか!」

「おはよ」『ピッカ!』

「2人共、図鑑貰ったんだね。レッドくんの肩にいるピカチュウってあの時の子?」

「そうだよ。ぼくの旅についてきてくれるみたい」

「じゃあレッドくんはヒトカゲとピカチュウの3人旅だね!」

3人とゆうより1人と2匹旅が正しいかな。と話しているとグリーンくんがボールを取り出した。

「オレはこいつも仲間になったんだぜ!」

グリーンくんはボールを投げると中から茶色のもふもふしたポケモンが出てきた。

『ブイ!』

「っ!イーブイ!!」

「じっちゃんの知り合いにイーブイ好きがいて旅立ち記念に譲ってもらったんだぜ」

「よかったね、グリーンくん!」

「おう!それで……ジルチもイーブイ欲しいと思ってもう1匹、譲ってもらったんだ。ジョウトの旅に連れていってくれないか?」

グリーンくんは机に置いてたボールをわたしに手渡した。

「え…いいの?」

「いいんだよジルチ。まぁ出してみろよ」

「うん!」

受け取ったボールを投げるとイーブイが出てきた。
少し眠そうにしていて欠伸をしていた。

「イーブイ、初めまして!わたしはジルチ。よろしくね」

イーブイは『ブーィ!』と鳴いて返事をしてくれた。

「ありがとうっグリーンくん!大切に育てるね!」

「いいってことよ!」

グリーンくんは嬉しそうに笑った。
隣でレッドくんが「次はぼくの番」と言ってわたしの前に来た。

「ジルチ。ぼくからはこれを」

レッドくんはリュックから赤色のリボンに結ばれた長方形の箱を取り出した。

「これは…?」

「開けてみて?」

わたしはリボンを解いて箱を開けると中には青色の石が入っていた。

「これって水の石だよね?」

「うん。グリーンがイーブイを渡すのを知ってたからぼくはシャワーズに進化する石にした」

「レッドくんもありがとう…!いつ使おうかな…!!」

イーブイをシャワーズに進化させたいけどもふもふを堪能…いや、少し育ててから進化させようか悩んでいた。

「ジルチとイーブイの好きな時でいいんじゃないかな?」

「うん、そうする!」

足元でごろごろしているイーブイを撫でたあとボールに戻した。
ジョウトに着いたらラクライにも紹介しようと思いながらボールと水の石が入った箱を鞄に入れた。

「わしからは…前に渡したポケモン図鑑とこのバッチケースをあげよう」

オーキド博士から水色のバッチケースを受け取り、開けてみるとカントーとジョウトのバッチが収めれるようになっていた。

「君のことだからジョウトを制覇したらすぐカントーも制覇しに来ると思ってな」

「ありがとうございます!こんなにたくさん受け取っていいの?わたし何も用意できて…」

「気にするなよ!ジルチ!代わりにまたバトルしてくれたらいいからさ!」

「うん、ジルチは気づいてないかもしれないけど、ぼくらだっていろんなものもらってるんだから」

「わしは元気に冒険して、たまに図鑑を見せてくれるだけで充分じゃ。わしらの感謝の気持ちをそのまま受け取ってくれんかの?」

3人に一気に言われてありのまま受け取る事にした。

「このお礼はいつか形にして返すから待っててね!」

必ず恩返しをする。まずはジム戦かな!と意気込んだ。


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