水の都の巫女 | ナノ


26

 旅立ちの日の前日、家にいても何もないから外に出てマサラタウンの景色を見てまわっていた。
木登りしたり、かくれんぼ、バトル、いろんな事をした。いつも遊んでいた場所でマサラタウンでの思い出に浸っていると後ろから声をかけられた。

「ジルチ」

「レッドくん…どうしたの?」

わたしの顔をじっと見ているレッドくんは少し目をそらしたあと真剣な表情になった。

「今日の夕方、オーキド博士の庭にある大きな木の下で待ってるから来て。ジルチに話したい事がある」

「うん?わかった」

「待ってるから!」

言い終わるとレッドくんは早々に立ち去ってしまった。話したいことってなんだろう…わたしも話したい事あるけど…。
んー…と切り株に座って考えてるうちに時間が過ぎていった。

 空にポッポの群れが棲みかに戻るのを見て約束の時間くらいかなと思い、座っていた切り株から立ち上がった。

「会ってみないとわからない!行かなきゃ!」

わたしはレッドくんが待つ約束の場所へ走っていった。


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