水の都の巫女 | ナノ


25

 家に帰るとお母さんが段ボールに研究資料を入れていた。わたしも荷物まとめなきゃいけないね…と思った。

「おかえり、ジルチ」

「ただいま、お母さん。オーキド博士からポケモン図鑑もらったの」

お母さんにもらったばかりのポケモン図鑑を見せた。

「オーキド博士が頑張って作ってた図鑑が出来たのね。よかったわね、ジルチ!」

「うん!オーキド博士にジョウトのポケモンを調べてほしいんだって。あと引っ越すの来週まで待ってほしいの。レッドくんたちの旅立つのを見送りたいの!」

「わかったわ、それまでには荷物をまとめておくのよ?」

「うん、ありがとう!今からまとめるよ!」

わたしは組み立ててない段ボールを1枚抱えて部屋へ向かった。
絵本やポケモンの本を段ボールへ詰めて机の上に置いてた写真立てを見た。

「初バトル終わって研究所に戻ったときに撮ってもらったんだっけ…」

写真にはそれぞれのポケモンを抱えて満面の笑みだった。
ふと、視界がぼやけて頬に涙が伝った。

「ダメ…まだ泣くのは早い……」

服の袖で涙を拭いて荷造りを再開した。

「泣くのは再会したとき!」

だから泣かないようにしなきゃ。
ポケモン図鑑はいつも使ってる鞄の中に入れてきずくすりも3つほど入れて残りは救急箱に直して段ボールに入れた。


prev / next

[ 目次に戻る ]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -