21
翌朝、わたしは2人に会いに走った。
レッドくんの家が見えたとき、ちょうどレッドくんが外に出てきたところだった。
「レッド、くんっ!はぁっはぁ…今、大、丈夫!?」
息を切らせながらレッドくんの元に着いた。
「大丈夫だけどジルチこそ大丈夫?急いでるようだけど何かあったの?」
レッドくんは心配して背中をさすってくれた。
「あのねっ…2人に、言わなきゃいけない、事があるの…!」
「ぼくとグリーンに?」
「うん。詳しい事は、3人そろったときに言うから、グリーンくんの家に行くよ!」
「わかった」
レッドくんと2人で隣のグリーンくんの家へ向かうとグリーンくんのお姉さんが家の前にある花に水やりをしていた。
「グリーンくんのお姉さん!おはようございます!」
「おはようジルチちゃん、レッドくん。グリーンに用があるの?」
「そうなんです」
「あの子まだ寝てるから起こしにいっていいから」
「わかりました!」
わたしたちはグリーンくんを叩き起こすべく、家に上がらせもらった。
2階へ上がるとグリーンくんは身体の半分がベッドに落ちかけていた。
「グリーンくん!起きて!起きてー!!」
グリーンくんに呼びかけても起きそうになかった。
「ぼくに任せて」
そう言うとレッドくんがグリーンくんをベッドから引きずり落とした。ガツンと床に頭をぶつけて痛そうな音がした…。
「いってぇ〜!何しやがるんだ!」
最悪な目覚めてグリーンくんは機嫌が悪かった。
「せっかくジルチが起こしに来たのに起きないからベッドから落とした」
「ジルチが…!?はっ!」
レッドくんの隣にいたわたしを見てびっくりしていた。
「おはよう。グリーンくん?」
「お、おはよう…」
「グリーンくんにも言わなきゃいけない事があって家まで来たけど…今大丈夫?」
「言わなきゃいけない事…?大丈夫だぜ?」
グリーンくんは床にぶつけた頭をさすりながら言った。
「ありがとう」
わたしは一息ついてから2人を見て言った。
「実は、ジョウト地方へ引っ越す事になったの」
2人はその言葉を聞いて固まった。
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