01
草木が生い茂り、爽やかな風が通り、とても心地いい光景が広がる場所に騒々しい声が響いていた。
「おいっ!レッド!どういう事だ!!」
茶髪の少年が隣で全力疾走してる帽子を被ったレッドとゆう少年に走りながら怒鳴った。
「知らないっ!グリーンが草むらに小石を投げたからだろ!?」
レッドは事のきっかけを作ったグリーンに怒鳴り返した。
「コラッタ1匹ならまだよかったさ!まさかラッタがあんなにいると思わないだろっ!」
「そっそうだけどさっ!何の確認もしないで投げる!?」
2人の少年がラッタの集団に追いかけられていた。
どうやらグリーンが草むらにいるコラッタに向けて投げた小石が運が悪く、ラッタに当たってしまったそうだ。
その結果ラッタを怒らせてしまい、2人は縄張りにいた怒り状態のラッタ集団に追いかけ回されることになった。
「レッド!あそこっ森を抜けるぞ!」
「このまま逃げ切ろうっ」
草木が開いた道から森を抜けれると思って真っ直ぐ駆け抜けようとしたが…
「「あ」」
その先は崖だった。
「あ…(やべぇ…!)」
「あ…(このままじゃ…落ちる…!)」
「「うわぁぁぁぁあっ!!」」
崖に落ちれば間違いなく命はない。2人はもうダメだと思った。
しかしそのまま落下していく感覚がなく、目を固くつぶっていた2人の手を誰かが掴んでいた。
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