水の都の巫女 | ナノ


20

 翌朝、ハヤトさんとマツバさんはルネを経由してジョウトへ帰っていったのを見送ってから私達は都へ戻った。
広場に集まって私達は目が合ったのと同時にボールを投げた。

「よーし!いくよっリーフィア!!」

『やったんでー!!』

「最近絶好調のリーフィアだから油断は禁物だね」

「リーフィアに負けねぇ速さで攻めてやるぜ!先手必勝!でんこうせっか!」

「タネばくだん!」

リーフィアが放った硬い殻のタネは次々と避けられてリーフィアの目の前まで攻めてきた。

「エーフィ、スピードスター」

「ッ!リーフブレード!!」「ミサイルばり!」

2匹の間を割って入るようにエーフィのスピードスターが放たれて、2匹はそれぞれの攻撃技でスピードスターを回避した。さりげなくリーフブレードで弾いたスピードスターをサンダースに向けていたけど、ミサイルばりで撃ち落とされていた。

「レッド…テメェ!サンダース、エーフィにミサイルばりッ!」

「リフレクター」

「チッ!」

ミサイルばりがエーフィに命中する前にリフレクターを張られて威力を抑えられた。すぐにサイコキネシスの反撃をされた。

「10万ボルト!」

「どろか…エーフィ、左!」

「なっ!?」

レッドの咄嗟の指示を聞いたエーフィは素早く左に避けるとソーラービームが通過した。

「外しちゃったか〜」

「危ね…!!サンダース、よく避けた!」

グリーンがレッドに集中しているすきにソーラービームの光を蓄えながら攻撃する機会を伺っていた。結果避けられてしまったけど…。

「奇襲は難しいね」

『やっぱドカーン!と攻めな!』

「そうだね!つるぎのまい!」

「スピードスター」「ミサイルばり!」

「リーフブレード!!」

一斉に攻撃をされたけどほとんどリーフブレードで弾き返してエーフィに攻め込んだ。

『討ち取ったりぃーっ!!』

「どろかけ!」

『ぶわっ、ちょ、目ッ!』

「サイコキネシス」

「エーフィから距離を取って、つるぎのまい!」

一歩も譲らない戦いが続いてるとサンダースが動きを見せた。

「ぶっ倒れやがれっ!」

「サイコキネシス!」

サンダースがエーフィに向かって10万ボルトを放とうとしたらサイコキネシスによって弾け散った。

「チッ!」

その一瞬の隙をレッドは逃さなかった。

「スピードスター!」

「タネばくだん!」

エーフィのスピードスターをまともに受けたサンダースは倒れ、タネばくだんでスピードスターを少し撃ち落としながらリーフィアはエーフィの近くまで走った。

「リーフブレード!!」

「リフレクター!」

エーフィがリフレクターを張る寸前にリーフブレードが決まってエーフィも倒れた。

「やった!勝った!!」『よっしゃぁあっ!!』

「くそー!ジルチに勝てねぇー!」

「リフレクターがなかったらもっと早く倒されてたかも」

バトルを終えて雑談していると、リシアさんの父さんが拍手しながら私達の元へ来た。

「お疲れさん!元気の欠片と回復の薬やるわ!」

「わぁ、ありがとうございます!」

「サンキュー!」「ありがとうございます」

リシアさんの父さんから回復道具を貰って3匹とも元気になった。勝てて喜ぶリーフィアは私の周りを飛び跳ねているとリシアさんとダイゴさんがやって来た。

「父さんずっと都におったん?」

「せやで!めっちゃええ所やからついつい長居させてもらったわ!それに楽しそうにバトルしてるの見れたしな」

「ほな、次はうちらのバトルの観戦やな!ジルチちゃんとレッド君、準備はOK?」

「「OK!」」

「オレも観戦するぜ」

「ミクリと戦ったぶりだから君達がどこまでメガシンカを使いこなせるようになったか見させてもらうよ!ゆけっメタグロス!」

「あんたらのポケモン達の絆、見させてもらうで!!いくで、デンリュウ!」

待ちに待ったメタグロスとデンリュウが広場に出て私達は嬉しくなった。

「レッド、ダイゴさんのメタグロスと戦えるよ」

「血が騒ぐね。ジルチだってずっと楽しみにしてリシアさんのデンリュウと戦えるね」

「そうだよ…!いくよ、ライボルト!」

「リザードン!」

私達がリザードンとライボルトを出すと空に向かって咆哮した。2匹もこのバトルを楽しみにしてたみたい。

「バトル開始ーっ」

ラティアスがバトル開始宣言をしたからそれぞれキーストーンを構えた。

「石の煌めき、絆となれ!」

「雷を纏い、新たな力は竜となりてその姿を現せ!」

「「メガシンカ!!」」

4匹の身体が七色の輝きを放ってメガシンカをするとメガリザードンYの特性で日差しが強くなった。2人相手に命中率が下がったかみなりが当たるはずがないと思って、挨拶代わりの技を考えた。

「ライボルト、10万ボルト!」

「同じタイプの技やからって舐めたらあかんで!デンリュウ、ひかりのかべや!」

ひかりのかべを張る前に10万ボルトを当てれたのはよかったけど、特殊技の威力を半減されたのは痛い。

「うー…ひかりのかべ……」

「攻めてくると思ったけどね。メタグロスにブラストバーン!」

「ッ!!ひかりのかべがなかったら危なかったかも。バレットパンチ!」

ブラストバーンで焼かれてもメタグロスはまっすぐリザードンに立ち向かってきた。

「最初に張って正解や!りゅうのはどう!!」

「ライボルト、かえんほうしゃ!!」

メガデンリュウと戦えて嬉しい反面、ドラゴンタイプが追加されるせいでライボルトの技のほとんどがいまひとつになってしまう。こうなったら自慢の速さで攻め続けるしかない。

「……(ちょっと私が劣勢かも)」

りゅうのはどうとかえんほうしゃがぶつかって爆発が生じたから、この煙の中なら奇襲ができるかもしれないと思って隣にいるレッドを見たら目が合った。

「ライボルト、じゅうでん」

ちょっとわざとらしく煙の中からでもわかるくらいに電撃を見せた。

「デンリュウ、ライボルトにほのおのパンチ!!」

リシアさんならじゅうでんしているとわかってやっぱり攻めてきた。レッドは笑みを浮かべてリザードンに指示を出した。

「ダメだリシア!!メタグロス、デンリュウを突き飛ばせ!!」

「はぁ!?」

「「!!」」

ダイゴの指示に私達は驚いた。リザードンが煙の中から放ったりゅうのはどうは当たらず、奇襲は失敗に終わった。2回目は通用しないから煙が消えるまで相手の様子を伺った。

「…読まれてたかな?」

「多分」

「日照りでかみなりの命中率が下がるからじゅうでんされた10万ボルトと読んだけど、君のライボルトの速さを考えたら不自然に間が開いてた。だから攻撃してくるのはリザードンだとわかったよ」

流石、ダイゴさん。私のライボルトの速さをよくわかっている。

「最初何すんねん!って思ったけど、まともに浴びてたら危なかったかもせえへんな……おおきに、ダイゴ」

「どういたしまして。じゅうでんはフェイント、だね?」

まるで手品の種がわかって得意気に話すダイゴさんに舌打ちをしそうになった。

「バレちゃいましたか。かえんほうしゃ!!」

「デンリュウ!もう1度ほのおのパンチや!!」

デンリュウがライボルトにほのおのパンチで殴りかかろうとした瞬間、いきなりデンリュウのメガシンカが解けてしまった。

「はぁ…っ!?」

「「!!」」

「ライボルト、ストップ!!」

様子がおかしいと思って咄嗟にライボルトはかえんほうしゃを放とうとしたのを止めてもらった。突然の異変にその場にいた全員は困惑した。

「デンリュウ……どないしたんや?どっか具合悪いんか…?」

『いや、全く!』

デンリュウはメガシンカが解けた原因がわからないという風に首を横に振った。

「一体何が原因なんや……?」

メガシンカの事はあまりわからないけど、バトル中に戦闘不能以外で解除されるような事はないと思った。

「(まさか……)」

波導を確認したら特に異変はなかったけど、リシアさんが右手首にあるキーストーンを見た途端、顔をしかめた。

「キーストーンに…ヒビが入っとる……?」

「何だって!?ちょっと見せて」

ダイゴさんがリシアさんの右手を持ってメガブレスレットを見ると難しい顔をした。

「キーストーンが割れるなんて…聞いた事がない」

「そらうちかってあらへんよ。まさかヒビが入るとか思わんかった」

「リシア、また変なメガシンカさせたん?」

「またってなんやねん!この間デンリュウをメガシンカさせたくらいやで!?とりあえずバトル続行できへんのもあれやし、父さんのメガネクタイピン貸して」

「しゃあないなー」

「どーも」

リシアさんの父さんからキーストーンを借りて再びデンリュウをメガシンカする事ができた。今回は大丈夫そうな雰囲気が出てる。

「待たせてゴメンやで?仕切り直しや!」

「…挑むところです!」

仕切り直しから激しさを増したバトルが続いたけど、リザードンが戦っていたメタグロスが先に倒れた。

「流石だね。参ったよ」

「仇はとったるからな!デンリュウ、ライボルトにりゅうのはどうや!」

「ライボルト、頑張って!」

戦って体力が減っていたせいか、りゅうのはどうを相殺できず押し負けてしまった。

「ライボルト…!うん、よく頑張ったね、お疲れ様。レッドごめん…負けちゃった…」

「よく戦ってたよ。だから気にしないで。リザードン!りゅうのはどう!」

「デンリュウ!ひかりのかべ!!」

ここでひかりのかべで耐えられたらどうなるかわからないと思っていたけど、デンリュウも体力が減っていたからライボルトと同じように吹き飛ばされて倒れた。

「あかん、うちもやられてもうたわ」

「ボクらの負けだ。君達がメガシンカを使いこなせてたから安心したよ」

「ありがとうございます。いいバトルでしたが、もっと精進します」

「あはは、またバトルしよう」

「長年付き添ったパートナーやってんな。ええ絆をバトルで感じ取ったわ。次はうちらが勝つからまたバトルしような?」

「「はいっ!」

チャンピオン同士のバトルなんて中々できない経験だからまたバトルしたいと思った。


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