水の都の巫女 | ナノ


帰り道(レッド/12話後)2

 グリーンの襲撃に遭ったけど無事に帰宅した。

「ただいま、母さん」

リビングにいた母さんは遊びに行く前と変わらずニコニコと笑顔でいた。

「おかえり、レッド。ジルチちゃんとどうだった?」

「…いつも通りだよ。はい、弁当ありがとう。中にジルチが作ってくれたクッキー入ってる」

ぼくは弁当箱を母さんに渡した。

「あら、ありがとう!」

「ジルチがおにぎりと玉子焼き美味しいって言ってた」

早速、弁当箱からクッキーを取り出して食べてる母さんは嬉しそうに頷いた。
弁当の話でおにぎりに梅干しが入ってたことを思い出した。

「なぜおにぎりに梅干しが入ってたの?」

「ジルチちゃんが普段何食べてるか知らないからいろんなもの入れてみたってのはあるけど一番はジルチちゃんが食べてどんな表情するかレッドに見せたかったの。どんな表情してくれた?」

なるほど、そうゆうことか。とぼくは思った。

「美味しくて笑顔になったり梅干しの酸っぱさですごく酸っぱそうな顔してた」

「あら、少し酸っぱすぎたかしら?でもいろんな表情見れて可愛かったでしょ?」

「!」

「あらあら、そんな顔真っ赤にしちゃって〜。」

ぼくは恥ずかしくなって帽子を深く被ってこれ以上ジルチの話題で母さんにちゃかされるのを逃げるべく2階へ向かった。

「ちゃんと手を洗ったらご飯食べに降りてきなさいよー?」

晩御飯とゆう現実がぼくを母さんから逃がしてくれなさそうだ。
でも、今日はいい日だった。
また、2人で遊べたらいいなと思っていたぼくは知らず知らず笑顔になっていた。

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