03
社長室を出て、人気が少ない場所で話す事になった。
「キミ達の方法はなんだい?」
「私達の方法はレックウザを呼び寄せて巨大隕石を破壊するというものです。ただ…問題点が多すぎて成功するかどうかが微妙なところです」
「レックウザ、か…。遥か昔に超古代ポケモンを鎮めたと言われているポケモンだね。……昔に戦った事あるよ」
「え!?」
「ダイゴ君、そのレックウザの事なんだけど圧倒的な力は健在だったかい?」
「凄まじい力を持ってたよ。……ただ、巨大隕石を破壊するほどのものかはわからない」
「そうか……。やはりレックウザの他に巨大隕石を破壊する方法がないと安心できないね」
レックウザの問題点は解決しないままだけど少なからず希望がある気がした。
「…ボクらの計画はロケットを放ってワープホールを作り出し、巨大隕石を別の場所へ移動させるらしい」
「あ、ロケットによる破壊じゃないんですね」
「そうだよ。まぁその方法も可能とは思うけど…破壊した後が大変だと思うよ」
「上手く粉々になって大気圏で燃えたらいいですけど燃えなかった欠片が街に落ちたら…ですよね。その場合は実力のあるトレーナー達の協力が必要ですね…」
「下手に街にいるトレーナーに隕石が落ちてくるからポケモン達と協力して破壊してやなんて簡単に言えへんな…。今のホウエンにそれをできるトレーナーはそうおらんと思う」
リシアさんの言う通りでいきなり空から降ってくる隕石を打ち落とす、破壊するなんて早々できない。ましてやホウエン全域を守るとなれば人手とポケモンが足りない。
「……(無理は承知であの人に頼んでみようかな…)」
「とにかく、今できる事を最優先で動こう。ある程度準備ができてから考えても遅くないはずだ」
「そうですね。今ここで悩んでても仕方ないからさっき言われた隕石の欠片を集めてきます」
「うん、よろしくね。それとジルチちゃんとレッド君、キーストーンを狙って襲いかかってくる女の人がいるみたいなんだ。くれぐれも気をつけて。……ボクらはトクサネの宇宙センターに向かう。何かあったらすぐに連絡する」
「キーストーンを……わかりました。警戒します」
私達はデボンコーポレーションを出て、それぞれの目的地へ向かった。
リザードンに乗って空を飛びながら隣に飛んでいるお父さんに質問した。
「お父さん、石の洞窟ってムロタウンの近くだよね?」
『ここからはそう遠くないよ。洞窟の奥には超古代ポケモンについての壁画があるんだ』
「壁画…気になるけどこの事件が解決したあとかな……」
「ねえ、ジルチ。キーストーンを狙ってる女の人に会ったらどうする?」
「んー……事情を聞いてから判断するかな…。容赦なく奪おうとしてきたら反撃するまでだよ」
「わかった。危ない事はしないでよ?」
「大丈夫、そこまではしないと思うから」
レッドが後ろから私の左手をそっと触れた。薬指にある指輪…キーストーンが太陽に反射して小さく光った。
『ジルチ、ムロが見えてきた。町外れのあの洞窟が石の洞窟だ』
「あそこ…だね」
「そういえば隕石の欠片ってどんな物か聞いてないよね?」
「……あ。でも波導でわかると思うよ?エネルギーがあるなら他のと違って波導が強く感じるかも。洞窟に入ったら波導で洞窟周辺を調べてみる」
『へえ、そこまでできるんだ?』
「修行したからね!」
石の洞窟の前に着地して私達は早速中へ入っていった。
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