01
無事にホウエン地方の水の都に着いて家に帰ってきた。ドアを勢いよく開けると父さんが深刻そうな顔をして座っていた。
「お父さんっ!!」
「お帰り。いきなりシンオウから呼び戻してごめんね」
「いいよ!それより隕石を止める方法を話して!」
「その為に呼び戻したからちゃんと話すよ。まずジルチは…過去に飛来した隕石の話を知ってるかい?」
「詳しくは知らないけど流星の滝とルネが隕石の衝撃でできたって事なら…」
「結果はそうだね。伝承では1回目、隕石が降り注ぎ、自然エネルギーを求めて争った2匹の化身の前にレックウザが現れたんだ。そして2回目、落下の衝撃によって自然エネルギーが溢れ、再び化身が暴れだした。1回目の事もあって水の民や流星の民といった人々は、過去に現れたレックウザに祈りを捧げると再びレックウザが現れ、姿を変えたという。この2匹の化身に対してレックウザは圧倒的な力で鎮めたり、力を奪い去った。当時の人々はレックウザの事を救いの神と崇めたんだとか」
「つまり…隕石を止める方法ってレックウザの力?」
「そういう事。正確には隕石を止めるというより隕石の破壊だね。で、僕が成功するかどうか微妙なところと言った理由がそのレックウザにある。長年姿を見ていないからその力が健在なのかわからない、正確に呼び寄せる方法が流星の民にしか継承していない」
「問題点が多すぎる…!」
問題点が多すぎて成功するかどうか微妙なところと言うのがよくわかる。呼び寄せる為には流星の民を見つけないといけないし、呼び寄せてもレックウザに問題があったらもと子もない。
「…レックウザの他に隕石を破壊する方法はないかな……」
「あったとしても…僕らがそれを実行してもいいの?」
「そうだ…!この事をホウエンのチャンピオンに伝えないと!!」
「ダイゴ君だね」
確かポケナビの連絡帳にダイゴさんがあったはず、とポケナビを操作して電話をかけてみた。ダイゴさんは新チャンピオンの代わりにチャンピオンをしていると言ってたから問題ないと思う。
「…………」
[もしもし?キミからかかってくるなんて思いもしなかったよ]
「ダイゴさん、お久しぶりです。今大丈夫ですか?」
[少しなら大丈夫だよ。どうしたんだい?]
「このホウエンに巨大隕石が迫ってます」
[何故その事をキミが知ってるんだい!?ボクらだってさっき知ったばかりなのに…]
「シンオウにいる時にお父さんから連絡があって、その時に知りました。それで私達は急いでホウエンに帰ってきました」
[彼が…そうだったんだね。ボクらその巨大隕石に対してある作戦を計画してるんだ。キミ達にも協力してほしいから是非カナズミのデボンコーポレーションに来てくれないかな?]
「わかりました。私達も作戦があるのでダイゴさんに話そうと思ってます」
[わかった。待っているよ]
ダイゴさんとの会話が終わって、ポケナビをポケットに入れた。
「彼は何て言ってたんだい?」
「隕石に対して作戦を計画してるからカナズミのデボンコーポレーションに来てほしいって」
「なるほど…彼も知っていたのか。じゃあ早速カナズミへ行こう」
「うん!ラティアスはシンオウから飛ばしてたから家で休んでて」
「ありがと!」
「それじゃ、行ってきます!」
お父さんと私とレッドの3人でダイゴさんのいるカナズミのデボンコーポレーションへ向かう事になった。
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