水の都の巫女 | ナノ


06

 バクフーンとルカリオの戦いは引き分けで私の1勝1分けという結果でゲンさんとの勝負は終わった。
この勝負で何となく周りの状況や動きがわかるようになってきたけどゲンさんの言う波導で感じ取るのは程遠いものだと思う。

「焦る必要はないからね。それとお疲れ様、いい勝負だった」

「はい!ゲンさんもお疲れ様です。次は…レッドの番だね!」

「そうだね」

「君も手強そうだね」

「ジルチとよくバトルをしますけどよく引き分けになります」

「それは楽しみだ!」

ゲンさんとレッドのバトルが始まって私はラティアスの隣に行った。聞きなれたリングマの声が聞こえてきたから相手はリングマか…と思った。

「ね、ジルチ!彼らのバトルを実況してっ」

「え?私が?」

「うん!だんだんわかってきたんでしょ?だから頑張ろ?」

ラティアスは私の手をギュッと握りしめた。

「…うん!頑張るよ!!」

私は2人のバトルの状況をわかる範囲でラティアスに説明をした。その瞬間の動きだけ形がはっきりとわかってきてゲンさんが言っていた青白いオーラが見えてきた。
ピカチュウのボルテッカーが決まってリングマは倒れた。さすがシロガネ山でリングマの群れと戦っていたからトレーナーのリングマでも戦いなれてる感じがあった。

「ゲーン!ジルチが少しずつ波導?を認識できてるよーっ」

「それはよかった。その調子で頑張ってね」

「頑張ります!」

2戦目はピカチュウとボーマンダ。かみなりのキバやほのおのキバといった接近戦を得意としていた。集中しすぎてるせいか少し疲れてきたと思っていたらルカリオが私の隣に来て何かを渡してきた。

『疲れてる時は甘いものを食べるといいよ』

「ありがとう」

薄くて四角い…甘い香りがしてチョコレートだとわかった。口に入れると程よい甘さが広がって頭の中がすっきりして落ち着いてきた。

「美味しい…っ」

『ゲン様もお気に入りなんだ。修行の後は欠かさず食べてる』

「そうなんだね。…あ、ピカチュウが力負けした」

ピカチュウのでんこうせっかをボーマンダはドラゴンクローで押し返すと、すかさずかみくだくでダメージを与えた。

『どんな感じに見えるようになった?』

「えっと…まだ瞬間しかわからないけど青白いオーラがはっきりとその形に見えるようになってきたよ」

『なるほど』

「まだまだ道のりは険しいかなー…」

『そういえば技が使えるみたいだがどの技が使えるんだ?』

「リフレクター、ひかりのかべに10万ボルト、サイコキネシスかな?あとはラティアスみたいに空を軽く飛んだり、姿を消せるよ」

『随分と豊富だな…』

「そうかな?それと別に水を操れるよ」

『その様々な技を使うのに修行はした?』

「全くしてないよ。気づいたら使えてた感じだからね。水を操る技は…イメージをしたらその通りになったからあまりしてないかも」

『そうなると波導も簡単に操れそうだ』

「かな…?まずは認識できないと始まらないけどね」

ピカチュウはボーマンダの背中に乗ってかみなりを落として倒した。相変わらず凄まじい威力で惚れ惚れする。

「完敗だ…参ったよ。まだまだ修行不足かな」

「ピカチュウが力負けしたから僕もまだまだですよ」

2人は握手をして私達の元に来た。

「2人とも、お疲れ様。日が暮れてきたから家に戻るとしよう」

「お疲れ様です。そうですね…バトルをしてると時間を忘れてしまいます」

「シロガネ山生活は楽しかったな…四六時中バトルしてたからね」

「時間感覚が少しズレてグリーンに怒られたっけ?懐かしい」

食料配達の日に私達が麓のポケセンに来なくてグリーンが文句を言いながら山頂の洞窟まで届けに来たのを思い出した。


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