20
都が復活して海から水ポケモン達が来て、街中でよく姿を見かけるようになった。たまに木の実とか持ってきて一緒に食べようと誘ってくるポケモンもいた。
あれから数週間が経って崩壊した都はある程度元通りになった。
「遠くに住んでいる僕らの仲間がたまに戻ってくるってさ」
「そうなの?」
「ジルチ、都がまた賑やかになるね」
「うん!」
今、私達がいるこの家は、元々お母さん達が住んでいた家を建て直したもの。リビングにある扉が開くとダイゴさんが出て来た。
「いらっしゃい」
「……驚いた。前は街中に繋がっていたのに今は家の中かい?」
「その方が楽かなと思ってね。その扉を開けてここに来るのは君達かジルチ達のどっちかだから室内に入れるようにした。で、何か用かい?」
「そうだった!ジルチちゃん達に用があるんだ」
「私達にですか?」
「メガシンカが凄く気になってるようだったし、ボクらを追い詰めた2人なら使いこなせると思って持ってきたんだ」
ダイゴさんはテーブルの上に箱を置いて蓋を開けると2つのキーストーンとメガストーンがあった。
「ここにあった石を加工してもらってメガリングにしたんだ」
「わぁ…綺麗…っ!」
「ジルチ、左手を出して」
「ん?」
何も考えずに左手を出すとレッドはメガリングを薬指にはめた。サイズがぴったりで何で?という顔をしてしまった。
「サフィラスが2人のサイズを測ってボクに教えてくれたんだ」
「寝ている2人のサイズを測ろうとしたらピカチュウに10万ボルトを放たれて危なかったよ…」
「ボクはピカチュウから聞いた。ジルチのお父さんがボクらの指のサイズを測ってたって」
「ちょっと…2人に内緒って言ったじゃないか」
『ピーカ?』
ピカチュウがとぼけた素振りをして木の実を食べ始めた。レッドも箱から取り出してメガリングをはめていた。
「これでジルチとレッドもメガシンカ出来るようになるね!ね、ダイゴ!そのメガストーンは何のポケモンなの?」
「これはライボルトとリザードンのメガストーンだ」
「ライボルトもメガシンカするのですか!?」
まさかライボルトがメガシンカ出来るポケモンとは思わなくて椅子から立ち上がってしまった。
「するよ。さ、2匹にメガストーンを持たせてあげなよ」
「ありがとうございます、ダイゴさん!」
私はライボルトをボールから出してメガストーンがはめられている首輪をつけてあげた。
満足げにライボルトを見ているとお父さんがさりげなく家の扉を開けていた。
「…2人共、メガシンカするなら外でしてよ?」
「え、あ…うん?」
「ジルチ、外に出よう!」
「うん!!」
ライボルトと一緒に外に出るとレッドがリザードンを出してライボルトと同じような首輪をつけていた。
「えっと…どうすればいいの?」
「ボクと同じようにすればいいと思うよ」
ダイゴさんと同じように…キーストーンをライボルトに向ければいいのかなと思った。
「ライボルト、準備はいい?」
「リザードンもいいか?」
2匹は頷いたから私達はメガリングをはめている手を向けて一声に言った。
「「メガシンカ!!」」
キーストーンが眩い光を放ち、その光に応えるようにメガストーンが輝いた。
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