水の都の巫女 | ナノ


18

 かみなりを当てた後、攻防が続いてメタグロスの体力が大分減った感じがした。その分ライボルトも体力が減ってきて少し息切れをしていた。

「ライボルトもう少しだから頑張ろ!」

横目でリザードンとミロカロスの様子を見ると、ミロカロスにじこさいせいをされてリザードンがやや押されているような雰囲気が出てた。

「レッド」

「大丈夫、心配しないで。ちょっと加減が……」

「あー…」

ミロカロスがじこさいせいで回復するから加減が難しそうにしていた。相手が水タイプでも構わず戦うなんてすごいと心底思った。

「彼ら何か企んでるようだね」

「私はリザードンが倒れそうな気配がしないから恐ろしいよ。それにいつライボルトの攻撃がこっちにくるか警戒せねば…」

「ボクもリザードンに警戒はしてるけどライボルトに集中しないとやられそうだ。ボクのメタグロスを相手に攻撃を攻撃で相殺してくるなんて恐ろしいよ」

それぞれの攻撃を受け止めたり、避けて反撃をしているとレッドが指示を出しながら質問をしてきた。

「ジルチ、じこさいせいを使うタイミングわかる?」

「大体はね。メタグロスが1つだけ技を出していないから少し気になるよ」

「予想はつくけどね。…ジルチ、次の攻撃でいい?」

「いいよ!ライボルト、10万ボルト!」

メタグロスに10万ボルトを放ってから少しリザードンの近くに寄った。ミロカロスがふぶきを放ったのと同時にライボルトは10万ボルトをミロカロスに、リザードンはフレアドライブでメタグロスに突進した。

「そろそろ来ると思ったよ!メタグロス、ライボルトにギガインパクト!」

リザードンの攻撃を避けるとメタグロスはふぶきの中を物凄い勢いで突撃してきた。

「ライボルト!」

「逃した…!リザードン、ブラストバーンだ!」

「ミロカロス、ハイドロポンプ!」

反動で動けなくなったメタグロスはブラストバーンの炎に包まれ、リザードンは横から放たれたハイドロポンプが当たった。ギガインパクトのダメージが大きくてライボルトはふらつきながらもかみなりをミロカロスに放った。炎、雷、水がフィールドに放たれて爆発が生じて辺りは煙に包まれた。

「ゲッホ、ケホッ…!」

「……」

一体どうなったんだと思っていると煙が消えて4匹はフィールドに倒れていた。

「4匹戦闘不能!このバトルは引き分けだね!」

「引き分け、か。2人共、いいバトルだったよ。お疲れ様」

「引き分けで悔しいですけど確かにいいバトルでした。お疲れ様です。ライボルト、最後の力を振り絞ってかみなりを放ってくれてありがとう」

全員ポケモンをボールに戻して最後に握手をした。このバトルでメガシンカという新しい事を知っていい経験になった。
ふとレッドを見ると名残惜しそうにリザードンのボールを見つめていた。

「メタグロスと戦ってみたかったな…」

「ブラストバーン1発しか当ててないもんね」

「君達がまだホウエンにいるならまたバトルをしよう!」

ダイゴさんのその言葉を聞いたレッドは目を輝かせながら私を見た。

「ジルチ、まだホウエンに…いる?」

「久しぶりのホウエンだししばらくいるよ?」

「やった!!」

レッドは万歳をしたあとダイゴさんに再戦の約束をして凄く嬉しそうだった。

「すごい爆発がしたと思ったらバトルをしてたんだね」

「あ、お父さん!ちょうど聞きたい事がある!」

「なんだい?」

「メガシンカの事なんだけど…どういったものなの?」

「メガシンカは人とポケモン、それぞれの思いが通じ合って新たな力を生み出す。僕らの間ではそう受け継いでいる。ただ、メガシンカをするにはラティアスが持っているラティアスナイトというメガストーンと、ダイゴがピンの先につけているキーストーンと呼ばれている2つの石が必要なんだ」

「へぇ……そのメガストーンって何種類もあるの?」

「あるにはあるよ。僕らは先祖代々からメガストーン受け継いでいる。護神だとメガストーンじゃなく、こころのしずくだけどね」

「じゃあキーストーンは?」

「水の民の長と巫女が受け継ぐよ。長のはどこかへなくなってしまったけど巫女のはその剣に…って折れた拍子になくなってしまったようだ……。剣格に丸い窪みがあるだろ?そこにあったんだ」

腰にある剣を見ると確かに丸い窪みがあった。


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