水の都の巫女 | ナノ


08

 紅茶のおかわりを頂いて角砂糖2個とミルクを入れて混ぜていると外が騒がしくなってきた。

「―っ!」

「ん?」

「今日のトクサネは賑やかだな」

「トラブルだけは勘弁だけどね」

トラブルは勘弁なのはわかる…って私のリーフィアの事かと思いつつミルクティーを飲んでいた。

「ジルチー!」

「今、ジルチちゃんを呼ぶ声が聞こえたよね?」

「この声…レッドだ!」

勢いよく立ち上がったから膝に座ってたリーフィアが床に落ちた。
耳を澄ませばレッドだけじゃなく、フウくんとランちゃんの声も聞こえてきた。

「3人とも無事だったんだ…!!外へ出てきますね!」

扉を勢いよく開けるとレッド達がすぐ近くにいた。

「レッドー!!」

「ジルチ!」

レッドの元に駆けつけると強く抱きしめられた。

「本当に無事で、よかった……っ」

「心配かけちゃってゴメン。あのあと船は大丈夫だった?」

「うん、嵐が収まって無事にミナモシティに着いたよ。そのあとは3人でトクサネシティまで飛んできた」

「「ジルチさん!」」

レッドの後ろにフウくんとランちゃんがいて、私を見ると泣きそうな顔をした。

「無事で」

「よかった!」

「私は大丈夫だよ。2人も無事でよかった」

「ぼく達」

「ジルチさんに助けてもらったのにまだお礼が言えてないの!」

「「助けてくれてありがとう!!」」

「どういたしまして」

レッドから私の荷物を受け取るとボールから皆が出てきて押し倒された。その中でバンギラスが1番泣いてて私をぎゅうぎゅうに抱きしめてきた。

「フスベ以来の状況だね」

「そう、だね…っ!バンギラス、心配かけちゃってごめんね?だからちょっと…キツぃ……」

「外で何が起きてるのかと見に来たらすごい状況だね……」

「バンギラスに抱きしめられて平然としてる子を初めて見た。…ん?このシャワーズ……綺麗な瞳ではないか。とても美しい…リーフィア、両足の刃をしまってくれないか?」

ミクリさんがシャワーズを褒めているとリーフィアはリーフブレードを構えているし、私は全然平然としていない。レッドにバンギラスをボールに戻してもらって、残りの皆は個々で戻っていった。

「…ふぅ、やっと落ち着いた……」

「船の中でも結構騒いでいたよ」

「…暴れてない?」

「大丈夫」

さすがに船の中で暴れたら大騒ぎになっていたかもしれない。レッドから髪飾りを受け取って髪をまとめた。
私はポケットに入れてたメダリオンを取り出すと遠くから赤と白色のポケモン…ラティアスが飛んできた。

『ひゅああーん!!』

「ラティアス!?」

「わぁ!すごい!!」

「人の前では滅多に姿を現さないラティアスが一体何故…」

ラティアスはかなり焦ってる様子で状況を説明するよりついてきてほしい雰囲気が出ていた。


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