09
ハリテヤマはビルドアップをして攻撃と防御を上げてきた。
「バレットパンチ!」
「っ!1発が重い…!バクフーン、かえんほうしゃ!」
物理技より特殊技の方が効くからバクフーンで対処しやすいのはいいけどこちらも油断はできない。
「けたぐり!」
「ワイルドボルト!」
ハリテヤマに足を強く蹴られ、バクフーンは転ばされたけど、受け身をとってあまりダメージを受けなかった。体勢を整えて電気をまとい、ハリテヤマにぶつかりにいった。
「ぬぅ…!やるおる!!」
「次はだいもんじ!」
だいもんじが辺りを焼き尽くすとハリテヤマを火傷状態にさせた。
「火傷には屈せん!しっぺがえし!!」
「バクフーン、まだいけるよねっ!」
バクフーンはもちろんと頷いて首元の炎を燃え上がらせた。
「よし、かえんほうしゃ!!」
猛火で火力が上がったかえんほうしゃがハリテヤマに当たり、大の字で倒れた。
「お疲れ様、少し休んでて。最後の1体…バンギラス!」
「さあ、倒れた者の分まで存分に戦え!」
砂嵐が吹き荒れる中、カイリキーとバンギラスが睨み合った。
「まさかあのカイリキー…!バンギラス、ストーンエッジ!!」
「カイリキーもストーンエッジだ!」
ストーンエッジ同士がぶつかり合うと思いきや互いの岩がすり抜けて、それぞれの岩が当たった。
「ノーガード…!!バンギラス!」
ノーガードのカイリキーに距離を取ってても必ず技が当たるから意味がない。ばくれつパンチからの混乱を避けるべく、一気に決めるしかないと思った。
「ギガインパクト!!」
渾身の力で体当たりするとカイリキーはフラつきながらも立っていた。1発で決まらなかった事でこのあとの状況が不安になった。
「ここが踏ん張りどころ!ばくれつパンチ!!」
「バンギラス!!」
まともにばくれつパンチを食らっても平然と立っていたけど混乱をしている。
「大した防御力だ!だが…そこまでだ!!バレットパンチ!」
「こうなったら…!バンギラス、ストーンエッジ!」
カイリキーに弾丸のような速さで殴られている最中に、混乱で自分を殴らないか心配だったけどストーンエッジはカイリキーに向けて放たれた。そして急所に当たったカイリキーは倒れた。
「どうした事だ!……俺達が負けるとは!」
「ありがとう、バンギラス」
お互いにポケモンを戻すと部屋が静かになった。
「負けた俺に何も言う資格はない!次の部屋に進むがいい!」
「はい!!」
―リーグ受付
3人目のシバを倒して四天王は残り1人になった。
「レッドさん!切り札のカイリキーを簡単に倒していきましたよ!!」
「ジルチはグリーンとのバトルで同じ特性のカイリキーと戦った事があるからね」
「そうだったんですね…!次の四天王を倒したらついにチャンピオンのワタルさんかー!見てるだけなのに熱くなってきたぁ!!」
ヒビキが楽しそうにジルチと四天王のバトルを見ていると僕の隣にソウルが座った。
「何だ、まだ3人目か」
「もう四天王を全員倒したと思ってた?」
「フン!あいつなら余裕で倒すだろ?」
「通常の四天王ならジルチは余裕だったと思うけど、ワタルの計らいで強化された四天王だから少し時間がかかってる」
ソウルは睨むようにモニターを見て僕の話を黙って聞いた。
「オレが興味があるのは四天王戦よりあのドラゴン使いとのバトルだ」
「…そう言うと思ったよ」
確かに僕も強化された四天王よりワタルとのバトルが1番気になる。カイリュー3匹でくるのかまた別のドラゴンタイプのポケモンがくるのか…ジルチは全力で挑んでくるワタルにどう戦うのか楽しみにしていた。
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