06
四天王2人目の部屋は所々に草が生えてて薄暗く、毒々しい感じがした。
フィールドに立つと居なかったはずの場所に突然、四天王が忍者のようにシュッと現れた。
「……ファファファ!拙者は四天王のキョウ!今に生きる忍よ!」
「貴方がキョウさんですか!セキチクジムでアンズさんから話を聞きました!」
「ほぉ…?アンズに勝ち、ワタルを警戒させるその実力を見せてもらおう!拙者の戦い方、一筋縄ではいかんぞ!相手を惑わせ、毒を喰らわせる……。まさに変幻自在、怪しの技よ!」
「状態異常は苦手なのでちゃちゃっと終わらせますよ!」
「……ファファファ!力だけでは及ばないポケモンの奥深さ、たっぷりと 味わうがよい!」
素早い動作でボールを投げると紫色のもふもふ?したポケモンが出てきた。
「毒タイプってなるとエスパータイプの技が欲しいところ!頑張って、カイリュー!」
「ほぉ…お主のカイリューか。ワタルとどっちが強いか見定めさせてもらうぞ」
「挑むところです!カイリュー、れいとうビームで動きを封じよう!」
「ファファファ!氷漬けにされては困るんでな。スカタンク、あなをほる!」
れいとうビームがフィールドを一直線に氷つかせて、スカタンクは慌てて穴を掘って避けた。
「おしいっ!カイリュー、いつでも技が出せるようにして!」
「静かに忍び寄るからどこから現れるかわかるまい!」
「…………」
確かにどこから出てきて攻撃してくるかわからない。だけど掘られた穴は1つ、出てくるとしたら新たに穴を掘って現れるはず…そのタイミングさえ合えばどうにでもできる。
私は耳を澄ましてカイリューの周りのフィールドに集中した。
「……来る」
「!?」
カイリューの左後ろで少し地面が動いたのがわかった。
「右へしんそく!」
私が指示を出したのと同時に地面からスカタンクが飛び出した。右へしんそくしたからスカタンクとの間に距離ができた。
「見破っただと!?」
「今だ!ドラゴンダイブ!」
カイリューは威圧しながら体当たりするとスカタンクは怯んだ。
「今度は外さない…っ!れいとうビーム!!」
「ぬう…やりおるな…!」
スカタンクは氷漬けにしたのと同時に戦闘不能にした。
次に出たドクロッグも同じように氷漬けにした所でライボルトと入れ換えた。
「ありがと、カイリュー。少し休もう。残り4匹…状態異常になる技をされる前に倒してるけど、そろそろ先手を打たれそうかなー…」
「如何にも。ゆくぞ、マルノーム!ヘドロばくだん!」
「かえんほうしゃで焼き払って!」
ヘドロばくだんを焼き払う事に成功したけど酷い悪臭がフィールドに漂った。
「ドわすれで特防を上げておくとしよう」
「イツキさんもキョウさんも長期戦へ持ち込もうとしますね…!かみなり!」
フィールドを軽く焦がしてさっきの悪臭から焦げ臭くなった。
「いたみわけ!」
マルノームがライボルトとの体力を仲良く分ける動作をすると、ライボルトの体力がかなり減った事に気づいた。そしてマルノームは持っていた食べ残しでちょっと回復していた。
「それ、いたみわけじゃないですよね?明らかに受けたダメージを押しつけた感があるのですが…!!」
「ファファファ!はて、何の事やら」
「それも策の内、ですか…。仕方ない…じゅうでん!」
「一休みせぬか?あくび」
「お断りします!ライボルト、まだ寝ちゃダメだよ?いたみわけの恨み、この雷撃に込める!かみなりっ!!」
さっきよりも威力を増したかみなりをマルノームに目がけて落とした。
マルノームがかみなりで焼け焦げて倒れるのと同時にライボルトは眠った。
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