水の都の巫女 | ナノ


05

 ヤドランを倒したあと、バンギラスと交代した。ブーピックとサーナイトを砂嵐の中で、ストーンエッジを放ってからかみくだくで倒した。

「背筋が凍る、悪魔のような攻め方だね」

「誉め言葉として受け取りますね」

イツキさんが苦笑いをしてるのに対して私は悪そうな笑みを浮かべた。

「では、ルージュラ。この砂嵐の中にふぶきを混ぜるとしよう」

砂嵐の中にルージュラのふぶきが混ざって、バンギラスを襲った。シロガネ山で生まれ、バンギラスまで育った彼からしたら何とも思わないふぶきだった。

「当たっているのに…あまり効いていない?」

「フスベジムに挑む前にシロガネ山で3ヶ月近く過ごしていましたからね。ふぶきくらい耐えれますよ!バンギラス、ドラゴンクロー!」

「あのシロガネ山に籠るだなんて、かの伝説のトレーナーのようだね。サイコキネシス」

「レッドの事ですか?あのシロガネ山での修行を勧めてくれたのレッドですし、バンギラス…ヨーギラスを手持ちに加えたかったので。そこっギガインパクト!!」

お互い喋りながら指示を出して、ギガインパクトが決まるとルージュラは倒れた。

「残り1匹でも諦めない。それがエスパーの恐ろしさ!」

「ラストはネイティオ、ね。よしっライボルト、1人目最後だよ!」

「ネイティオ、シャドーボール!」

「10万ボルト!」

2つの玉がぶつかり、爆発が起こった。ライボルトはすかさず攻め込むと、ネイティオがでんこうせっかで煙の中を飛び出した。

「かえんほうしゃ!」

「サイコキネシス!」

かえんほうしゃの炎はサイコキネシスで歪め、周囲に流して飛び散っていった。

「サイコキネシスで流されたっ!ライボルト、煙が収まる前にじゅうでん!」

「ゼロでなければ力は無限。まだボクは諦めないよ!煙の中にいるライボルトにでんこうせっか!」

「私も諦めませんよ!かみなり!!」

ネイティオがでんこうせっかで煙に近づいたのと同時にライボルトも飛び出してかみなりを落とした。

「……参ったよ」

かみなりが命中したネイティオはポトリとフィールドに倒れた。

「ライボルト、お疲れ様っ」

「…負けたからといってボクのやる事は変わらない。トレーナーの頂点に立つ為、戦い続けるだけ。君は次に進んで四天王の本当の怖さ、確かめるがいい!」

「……ちょっと怖いかもしれませんがそれ以上に楽しみです!では、次の部屋に行きますね」

「行ってらっしゃい」

イツキはジルチを見送ると、どこからか無線機を取り出した。

「……もしもし、キョウ?ジルチちゃんって子がそっちに向かった!通常の手持ちで挑んじゃダメなのと…あとでシバとカリンに伝えるから任せてくれ」

「……さて、毒使いのキョウにどんな戦いをするか…楽しみだね」

イツキはフッと無線機を跡形なく消し、次の部屋に通じる扉を見て笑みを浮かべた。


 ―リーグ受付

「1人目突破…今のジルチなら四天王を簡単に倒しそうかな」

ジルチは1人目のエスパー使いのイツキを倒して2人目の部屋に向かった。バトルの様子を見ていると調子がいいのがわかる。

「あ!レッドさんっ」

「久しぶりだね。ヒビキ」

「隣、いいっすか?」

「どうぞ」

隣に座ってたピカチュウが僕の膝の上に移動して席を空けた。

「ジルチさんいい感じに戦ってましたね!」

「うん。ジルチはすぐワタルの所まで勝ち進むよ」

「おっ凄い自信!」

「ジルチを信じてるし、調子がいいのに勝ち進めなかったら3年間シロガネ山に籠らせるよ」

「そ、それは…厳しいっすね……」

ヒビキが若干顔を引きつらせてるけど僕は本気だ。もしジルチが負けてワタルに保護されるくらいなら、僕はジルチを連れて一緒にシロガネ山に隠れ棲むつもりだ。


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