水の都の巫女 | ナノ


03

 ワイルドボルトの反動と相性の悪い相手だったけど、なんとかオーダイルを倒す事ができた。次のフーディンをバンギラスで倒し、ソウルはクロバットを繰り出した。

「クロバットに進化してる…よかった」

「…何がだよ」

「ソウルがポケモンとの愛情が生まれたから!」

「なっ…!?」

「ゴルバットはトレーナーになつくとクロバット進化するの。ソウルのゴルバットが進化したって事はそうゆう事でしょ?」

すなあらしが吹き荒れる中、クロバットがソウルの周りを飛んでから肩に止まって指示を待っている。

「こいつらとトレーニングしてるうちに息が合うようになったし、強いトレーナーに勝てるようになった。べ、別に愛情とか…ねぇよ」

ソウルは肩にいるクロバットの顔をつついた。その様子だと結構可愛がってるように見える。

「そう…?」

「オレらの事はいいだろ!バトルだ!バンギラスにエアカッター!」

「っ!バンギラス、ドラゴンクロー!」

素早いクロバットに翻弄されそうになったけど技が全く当たらなかった訳じゃない。当てる時は確実に技を当てていった。

「1発、1発が重たすぎる!…だったらどくどくだ!」

「毒状態にしてじわじわと削るつもりね…!そうゆうのは1番苦手!」

毒状態になってバンギラスは顔をしかめた。長期戦に持っていかれたらダメージ的にこっちが不利だ。

「バンギラス、早めに決着をつけよう!ストーンエッジ!!」

「かみつく!」

「もう1度ストーンエッジ!」

2度目のストーンエッジが急所に当たり、クロバットはゆっくりと地面に落ちた。

「フン!強くなりやがって……」

ソウルはクロバットを戻すとしばらくボールを見つめていた。

「……勝てなかった。全力で戦ったのに……」

「ソウル…」

「お前が持っていてオレにないもの……。あのドラゴン使いに言われた事、なんとなくわかったかもな……」

ソウルの話を黙って聞きながらバンギラスにモモンの実を食べさせてからボールに戻した。

「…………オレは最強のトレーナーを諦めた訳じゃない。今のオレが勝てない理由、きっと見つけ出して強くなる。そしてお前に挑む!その時は持てる力、全て出して負かしてやるさ。……フン!精々頑張るがいいさ」

「頑張るよ。勝たなきゃ…ホウエンや他の所に行けないから!」

「…じゃあな」

ソウルは速歩きで私たちの横を通りすぎて行った。

「彼、次会ったらまた強くなってそうだね」

「うん。その時はポケモンと笑い合ってる所が見れたらいいなぁ…」

もっと素直になればいいのにと思いつつチャンピオンロードを出た。

「ここがポケモンリーグがあるセキエイ高原」

「わぁ…リーグってあの向かうにある豪華な建物だね……!」

「…改装したのかな?ボクが来た時は少し大きい建物だったけど」

「シロガネ山に籠ってる間に改装したのかもね。今からリーグ戦って思うと武者震いしてきた…!!挑む前に回復しなきゃ!」

「忘れてなくてよかった。ジルチの事だからそのまま…」

「突っ込むと思った?」

「うん」

「いや、流石に突撃ー!って行かないよ!?バトル終わりに使うつもりの回復の薬を多めに買おうと思ってるし!」

いくら楽しみしているリーグ戦と言えど準備を怠る訳にはいかない。カントーのジム戦が全力のものだったから四天王も同じくらい、それ以上全力で私を倒しにくるかもしれない。
ポケモンリーグに入って手持ちをジョーイさんに預けてきた。その間に回復の薬と元気の欠片を買って、椅子に座って上のモニターに"挑戦者、求む"と映っていた。

「あのモニターに対戦の映像が流れるんだって」

「へぇ…あの大画面に……」

「ボクはここでジルチがワタルを倒すのを見届けるよ」

「わかった。ワタルさんに勝ったらチャンピオンの部屋まで来るの?」

「そうだね。ボクも準備しとこっと」

レッドが立ち上がるのと同時にジョーイさんに呼ばれた。
治療が終わった手持ちを受け取って四天王の部屋の入り口に立った。

「それじゃあ、戦ってくる!!」

「頑張って!」

絶対に負けないと心の中で言って、レッドに手を振りながら四天王の部屋へ入った。


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