水の都の巫女 | ナノ


01

 トキワシティでグリーンと別れた後、私達は22番道路を通ってチャンピオンロードの入口に来た。

「…ここが試練の道、チャンピオンロード」

「うん、行こっか」

「そうだね!中にトレーナーがいたらバトルを挑もうっと」

ボールから出たそうにしていたリーフィアを出して、私達はチャンピオンロードに入った。中はシロガネ山ほど強い野生ポケモンがいなかったけど、いきなり襲いかかってきたからバトルをした。

「んー試練の道って聞いてたからシロガネ山みたいに強い野生ポケモンがぽんぽん出てくるのかと思ってた」

「シロガネ山に慣れたらそう思うよね。…グリーンが聞いたら引かれそうだけど」

「お前らシロガネ山を基準にするなーって言いそう!リーフィア、リーフブレード」

洞窟内を歩いているとゴルバットが襲いかかって、隣で楽しそうに歩いていたリーフィアに指示を出した。
気合いの入ったリーフブレードをまともに当たったゴルバットは洞窟の奥へ飛び去った。
しばらく歩いていると洞窟内でトレーナーと会っていない事に気づいた。

「ねぇ、レッド」

「どうしたの?」

「結構奥に進んだと思うけど…トレーナー見かけた?」

「……そういえば見てない。僕が通った時はいろんなトレーナーがいたけど…」

「んータイミングが合わなかったのかな?」

「そうかも」

途中でライボルトと入れ換えて、襲いかかってきたリングマを返り討ちにした。
それからライボルトも楽しそうに歩いている。皆が楽しそうにしている理由は私と同じ、ついに目標のリーグに挑めるからだ。旅の途中でいろんな事があったし、ワタルさんに条件だらけの挑戦状を渡された。
今こうしてチャンピオンロードを歩けるのも、周りの人や旅の途中で仲間になった子達…レッドとグリーン達のおかげ。レッドの顔を見ると何だか嬉しくなって微笑んだ。

「ジルチ、今日はいつもより機嫌がいいね?」

「うんっ!だって目標にしてたリーグがもうすぐだもん!ここに入ってからずっとワクワクしてるの!」

「ジルチもリーグ戦か…グリーンみたいにチャンピオンの間で戦いたかったかな」

「そうだね。小さい頃リーグで会おうって言ってたからね。でも…レッドと旅ができたから、これはこれでよかったと思う」

「ジルチ…。そうだ、ワタルに勝ったあと僕とバトルしよう!」

「レッドと?」

「うん。僕がグリーンとリーグでバトルしたように僕がジルチとバトルする。どうかな?」

「…それ、いいね!うん、そうしよう!!」

レッドとは手合わせで結構バトルをしているけど、お互いの手持ち6匹による本気のバトルはした事がなかった。この機にバトルをするなら最高の舞台だと思う。楽しみが増えて胸の鼓動が速まった気がする。

「その為に絶対ワタルに勝たないとね。確かこの道をまっすぐ行けば出口だよ」

「うん!!絶対に勝つよ!あっ本当だ!明かりが見えてきた!……あれ、誰かいる?」

チャンピオンロードの出口に誰かが立っていると思えば、ソウルがいた。

「ソウル!お月見山ぶりだねっ」

「ジルチ……今からポケモンリーグ挑戦か?」

「そうだよ。そこ、出口でしょ?」

ソウルの後ろにある出口に指を指すとソウルはちらりと後ろを見た。

「確かにチャンピオンロードの出口はもうすぐそこだ。しかし気がついただろう?ここまでにトレーナーが1人もいなかった事に」

「うん、トレーナーと会っていないよ。タイミングが合わなかったのかな?」

「フン!どいつもこいつもだらしがない……。まあそういう意味では、ここまで辿り着けたつけたお前は見所があるのかもな」

正直、レッドと話ながら野生ポケモンとバトルをして、散歩感覚に歩いてたとは言えない。
ソウルの発言からして元からチャンピオンロードにトレーナーが少なかったみたいで、改めて試練の道と確認した。

「だが!それももう終わりだぜ!何故なら……ここでオレがお前を叩き潰すからだ!」

ソウルはボールを投げて、ニューラを出した。お月見山の時よりまた強くなったのがわかった。ライボルトに目を向けると、私の前に出て戦う気満々だった。

「…そのライボルトまた強くなったのかよ」

「ジム巡りしてるうちに皆も強くなったよ!それに今はモチベが高いからいつもよりいい動きをすると思う!」

「だがオレは負けねぇ!シャドークロー!」

「ライボルト、かえんほうしゃ!」

ライボルトのかえんほうしゃがニューラを容赦なく包み込んだ。


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