28
翌朝、トキワシティの隣にある22番道路からチャンピオンロードへ目指す事にした。
「ナナミさん、お邪魔しました!」
「ジルチちゃん、レッド君、また来てね。リーグ戦が全国中継するみたいだから見ながら応援するね!」
「ぜ、全国中継!?」
「んだよ。ワタルさんから聞いてないのか?リーグ戦が中継で放送されるの」
「初めて聞いたよ!!」
「僕も」
「レッド、お前はシロガネ山から降りて来ないから知らないだけだろ!」
ポケモンリーグの挑戦者が現れたら緊急特番で放送される事を初めて知った。
「まぁ…ワタルさんの事だから派手な事はしねぇと思うけどな。トキワまで見送ってやるよ」
「ありがとう、グリーン。けど…何か公開処刑されそうな気がする」
「公開処刑ってなぁ…要はワタルさんに勝てば問題ないんだろ?」
「うん!勝てば強制保護とか撤廃されるみたいだから絶対に負けられないバトルなの!」
ここで負けてしまってはジョウトから出れずにホウエンに行けなくなる。それだけは避けなければならない。
1番道路へ行こうとしたら後ろからオーキド博士の声が聞こえた。
「3人共、待ってくれー!」
「博士!どうしたのですか?」
「さっきウツギ君から連絡があったのじゃ」
「ウツギ博士が?」
「正確にはウツギ博士の所に来た女の子から伝言を頼まれたんだ」
オーキド博士の手にはカメラが握られていた。
「…もしかしてコトネちゃんが?」
「おーその名前じゃ!ジルチ達が昔、わしの研究所で写真撮ったじゃろ?それを撮ってと言われてな!」
旅に出る前にコトネちゃんに昔に撮った写真を見せた事がある。カントーへ行ったら何か撮ろうと思ってたのにすっかり忘れていた。
「ガキの頃に撮った写真か!だったら…出てこいっ、カメックス!」
「じゃあリザードン!」
「そうゆう事なら…おいで、ライボルト!」
3人があの時に撮ったポケモンを出して研究所の前まで行った。すると中から研究員の人が出てきた。
「あら、懐かしい光景ね。昔と同じように写真撮りますよ」
「おぉ、すまんな。わしが撮るとぶれてしまうんでなぁ」
「最近のは手ぶれ補正がついてるらしいぜ?それ買ったら?」
「孫がいつか買ってくれると信じとるぞ」
「…気が向いたらな?」
昔と同じ場所に立って、私はライボルトを撫でた。
「ライボルト、覚えてる?レッド達と初バトルした後に撮ったの」
『ワゥ!』
ライボルトは覚えている!と元気よく吠えた。あれから随分と経ったなぁとしみじみと感じた。
「ジルチちゃん!撮るよ!」
「はい!」
撮る時に私は2人の二の腕に抱きついて2人を驚かせた。
「っと!」
「お、おいっジルチ!?」
いつか2人を驚かそうと考えて、マサラタウンを旅立つ時のリベンジは成功した。
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