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さっきの事がまだ気になってて、レッドが側に居ると気恥ずかしくて鼓動が速くなっていた。どうしようと思っていると斜め向かいに座っていたレッドが隣に移動してきた。
「…まだ気にしてる?」
「別に…気にしてない、もん」
そっぽを向いて、膝を枕にして寝てるシャワーズを撫でた。
「ごめんね?でも……」
でもの続きは?と聞こうとレッドの方を向いたら口づけをされた。いつもなら触れるぐらいなのに今回はそうじゃなかった。
「ん…っ」
深くて長い口づけで、逃げられないように頭を抱えられていた。上手く呼吸ができなくて、息苦しくなってきたからレッドの胸元を軽く叩くと解放された。
「……好きだから、ジルチの事。もっと触れたいって思う」
「レッド…」
レッドがもう1度口づけをしようと近づいた途端、部屋の扉が開いたから反射的に私達は離れた。
「…あら、邪魔しちゃったかしら?」
「そそそ、そんな事ないですよ!」
「ふふっ若いっていいわね。2人から甘い雰囲気が出てるわよ?ご飯出来たから食べましょ!」
ナナミさんがニコニコしながら扉を閉めて階段を降りていった。
「……甘い雰囲気って…」
「そんなに出てた?」
お互いに顔を見合わせて首をかしげた。
「とりあえずご飯食べよっと!行こっレッド!」
「そうだね。明日はリーグだから早めに寝ないと」
「打倒、ワタルさんだから四天王で手こずらないようにしなきゃね。今までのジム戦より厳しいと思うし」
「僕が挑んだ頃とメンバー変わってるから、観る側からしたら面白そうだけどね」
「いつも通り応援よろしく!」
「任せて!」
レッドと拳と拳を合わせて、下に降りるとナナミさんがお皿を用意していた。
「ジルチちゃん明日リーグ戦ね?頑張って」
「はい、頑張ります!」
私達が席についた頃にグリーンも来て4人で喋りながら晩御飯を食べた。
「ジルチ、四天王の事を気にしているようだがチャンピオンロードの存在忘れてねぇか?」
「あ」
「マジかよ……」
「忘れてたね」
ポケモンリーグの前にトレーナー達の試練の道と言われているチャンピオンロードがある。その事をすっかり忘れていた。
「オレ達が通った時にあったバッチのチェックゲートがなくなったからチャンピオンロードの入口にはすぐ入れるぜ」
「へぇ…。入れたとしても何か仕掛けられてそう」
「どんだけワタルさんを疑ってんだ…」
「でもジルチがバッチ16個集めた事を知ってそうだから堂々と迎えるんじゃないかな?」
「だといいけど…」
チャンピオンロードに入った瞬間、エリートトレーナー100人抜き!と言って立ち並んでたら笑うしかない。
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