水の都の巫女 | ナノ


26

 競争の結果、私とハンデの差があったのにグリーンがビリになった。全力疾走をして汗だくになったからご飯の前にお風呂を借りさせてもらった。

「あーいい湯だったーっ。レッド、お風呂空いたよ」

「わかった」

洗面所で髪を乾かしながらリビングにいるレッドに声をかけるとピカチュウを連れてやって来た。

「まさかリーフィアと一緒に走ってきて、僕らに追いつくなんてビックリしたよ」

「何だかんだで皆と特訓してたから足には自信があったよ。リーフィアがグリーンに追いついた時の反応が面白くて転けそうになっちゃったよ」

1番道路に入る寸前にグリーンが真横にリーフィアがいる事に驚いて、転けそうになった所をレッドのピカチュウがグリーンの頭の上に乗ってバランスを崩させた。2匹の行動は全く打ち合わせしてないのに息がピッタリだった。

「あそこでジルチも転けたら2匹のコンボが意味がなくなるよ」

『ピッカ!』

「そうだね。おかげでビリにならずに済んでよかった」

ピカチュウが私にピースをしてて可愛かったから頭を撫でているとレッドが上の服を脱いで上半身裸になっていた。

「レレッ、レッド!?私まだいるけどっ!?」

「うん?」

服を洗濯篭に入れて、どうしたの?とゆう顔をされた。今まで一緒にいたけど上半身裸の姿は見た事がなかったから恥ずかしかった。意外にも引き締まった体つきで、目をそらしたくても気になって見てしまう。

「そ、そのっ…!見慣れてないから…っ」

「…あぁ、そういう事?」

レッドがようやく状況を理解してくれたのはいいものの、隠す様子もなければ逆に私に近づいてきた。

「じゃあ見慣れるように一緒にお風呂入る?」

「は、入らないっ!!いつまでも上半身裸だと風邪ひくよっ!」

顔が真っ赤になってるのがわかるくらい熱くなって、洗面所から逃げるように飛び出した。

「〜っ!!(レッドのバカ!一緒に入るだなんて…!!)」

恥ずかしくて入れない。もし一緒に入ったとしてもレッドの事を意識しすぎて逆上せてしまいそう。
やや駆け足気味に2階のグリーンの部屋へ行くと私のシャワーズ、リーフィアとレッドのエーフィとグリーンのサンダースがカーペットの上でくつろいでいた。

「おっジルチ、姉ちゃんのパジャマのサイズ合ったか?」

「…うん!ピッタリだよ。みんなくつろいでいるね」

「そいつはよかった。電気タイプだからシャワーズに警戒されてたけど、すぐ打ち解けたぜ」

「ライボルトで慣れててもちょっと警戒はしちゃうねー」

シャワーズの頭を撫でているとリーフィアも撫でて欲しいのかもう片方の腕に擦り寄ってきた。

「全くリーフィアとピカチュウにはしてやられたぜ…」

「私もビックリしたよ?」

「その割には平然と抜かしやがったがな……」

「あははっ勝負だから情けはないよ」

「何があっても次は負けねぇからな?」

「挑むところ!」

グリーンとバトルやリーグの事を話しているとお風呂上がったレッドが部屋に入ってきた。

「母さんがグリーンの姉さんにボクのパジャマを届けてるなんて思わなかった」

「オレが姉ちゃんに連絡した後にレッドの母さんに連絡したってよ。届けたのはパジャマだけじゃなくクッキー缶もあるぜ?」

「クッキー!じゃあご飯の後に食べようよ!」

「そうだな。オレも風呂に入ってくるぜ。晩飯はパスタサラダらしい…お前ら先に食うなよ?」

「ちゃんと待つから安心して!」

「ジルチの食べ物に関する安心しては安心できないぜ……」

「えぇー!?」

それはあんまりじゃないかと言っているうちにグリーンは部屋から出ていった。


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