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レッドとジルチのバトルは先ほどのグリーンとのバトルと同じように攻防戦を繰り広げていた。
「ヒトカゲ、ひっかく!」
「避けて!たいあたり!」
「ヒトカゲ!次はひのこだ!」
「っ!お返しよっラクライ、スパーク!」
「おぉ…すっげぇバトルだ…」
観戦しているグリーンはそのバトルに見入っていた。
ヒトカゲはスパークを受け麻痺状態に、ラクライはひのこで火傷状態になった。お互いの体力が限界に近づいて次の技が決まれば決着がつきそうだった。
「頑張ってラクライ!たいあたり!」
先に動いたのはジルチのラクライだった。
「ヒトカゲ、もう一押しだ!ひのこ!」
たいあたりで近づいたラクライはヒトカゲに当たる前に先にひのこが命中した。
そしてラクライは地面に倒れ、ヒトカゲが勝った。
「勝者!レッド!お前らすげぇバトルだったな!!」
「お疲れ様、ラクライ」
『ワゥ…』
ジルチは悔しそうな顔をするラクライを抱え、きずくすりを使いながら慰めた。
「よくやった、ヒトカゲ」
レッドは勝って喜ぶヒトカゲを褒めてきずくすりを使った。
「うん、レッドくん強かった!またバトルしようね」
「ジルチも強かったよ、またしよう」
「ジルチ!今度オレとバトルしようぜ!」
「うん!グリーンくんに負けないからねっ」
「おぅ!かかってこいっ」
「頑張ろうね!ラクライ!」
『ワゥ!!』
3人は熱いバトルを楽しんだあとポケモンたちと追いかけっこやかくれんぼして遊んだ。
「じゃーな!ジルチ!」
「バイバイ、ジルチ」
「またねー!レッドくん!グリーンくん!」
夕方頃、3人はそれぞれの家に帰った。
「今日はお母さんにバトルの話をしよっとっ」
ジルチは帰ったら今日のバトルについて話そうと思いながら家に向かっていたところ、オーキド博士の研究所から大量の資料を抱えたジルチの母が歩いていた。
「あら、ジルチ。今帰ってきたの?」
「あ!お母さん、そうだよ! 今日レッドくんたちとバトルしたんだ!」
「そうなの!バトルどうだった?」
「わたしもラクライも楽しかったよ!レッドくんに負けちゃったけどね…」
「あらあら。バトルして育てなきゃね」
「そうする!たくさんきずくすり用意しなくちゃ!」
「家の救急箱にたくさんあるからって夢中になりすぎて使いすぎないようにね?」
「き、気をつける…」
「そうそう、今日の晩御飯はカレーよ。帰ったら一緒に食べましょ!」
「やったぁ!大好きなカレーだぁ!!」
ジルチは上機嫌で母と家に帰った。
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