水の都の巫女 | ナノ


水・水・水(スイクン)

 クチバシティの上空を降りる途中にクチバ港の近くにスイクンがいた。何故カントーにいるのかわからないけど、スイクンは上空にいる私に気づいて空を見上げた。
雰囲気的に「巫女、お元気そうでなによりです」という感じがした。

「…うん」

「どうしたの?ジルチ」

「スイクンがね、クチバ港の近くにいたの」

私がスイクンの事を話すとレッドはクチバ港の方を見た。
美しく、透き通るような角に風になびく紫の体毛…スイクンはレッドを見て頷いた。

「あれがスイクン……」

レッドが呟くのと同時にクチバシティからミナキさんが来るのを見て、スイクンはどこかへ走り去っていった。

「行っちゃったね」

「うん。でもまた会えると思うから寂しくないよ」

「そうなの?」

「ホウエンの…お父さんとお母さんの故郷に戻ったらスイクンも来るって言ってたからね」

スイクンがいた所を見るとミナキさんがスイクンに逃げられて悔しがっている姿が見えた。


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