水の都の巫女 | ナノ


12

 2の島からシーギャロップ号に乗ってクチバ港へ戻っている途中にレッドが「意味わかったでしょ?」と聞いてきた。

「うん。伝授をするにはバクフーンとのなつき度が関係してたのね」

「そういう事。僕もここでリザードンにブラストバーンを伝授してもらった。威力が高いけど使いどころが難しい」

「究極技ならではってのかな?ブラストバーンの放つ練習しないとねー」

次は毒タイプのセキチクジム。私の手持ちだと、リーフィア以外タイプの相性は問題なく戦えると思った。

「セキチクジムで…いきなり試してみるのもあり、かな?」

「それか僕と軽くバトルする?リザードンのブラストバーンを見ればコツが掴めるかも」

「いいね!!じゃあクチバに戻ったらリザードンとバクフーンでバトルしよ!」

「確かフレンドリィショップの横に広い場所があったような……。よし、地主さんに言って場所を使わせてもらおうっ」

「うん!」

クチバ港に着いて、ブラストバーンの練習をする為にフレンドリィショップの近くにいた地主さんに話しかけた。

「穴開けたら埋めてくれよ?」

「もちろんです!レッド、始めよっか!」

「うん!」

リザードンとバクフーンを出してお互い軽く口から炎を出した。

「僕からいくよ。エアスラッシュ!」

「バクフーン、ワイルドボルト!」

エアスラッシュの斬撃をよけつつ、電気をまとってリザードンにぶつかりにいった。

「かえんほうしゃ!」

「りゅうのはどう!」

軽くバトルするつもりだったけどお互い夢中になりすぎて、激しい攻防戦に変わった。周りに炎タイプ同士のバトルを観戦するトレーナーが増えていった。

「相変わらずやるね…!」

「まだジルチに負けるわけにはいかないからね」

ずっと炎や風が飛び交い、お互いの体力の限界が近づいた。

「リザードン、ブラストバーンだ」

「バクフーンもブラストバーンだよ!」

2匹は地面を殴ると周囲に火柱が上がり、業火に包まれた。ブラストバーンによる爆発が生じた時、観客が騒がしくなった。

「くっ」

「……」

爆発の煙が消えるとリザードンとバクフーンはふらふらになりながら立っていた。

「バクフーン大丈夫?」

「リザードンまだいける?」

私達の声かけで2匹は力強く頷いた。お互いに次の技で勝敗が決まる。

「フレアドライブ!」

「ワイルドボルト!」

炎と電気をまとった2匹がぶつかり合うと衝撃で後方へ吹き飛んで地面に倒れた。

「……引き分けだ」

「そうだね」

勝敗が引き分けという結果で終わり、観戦していたトレーナー達は私達に拍手をした。

「ジルチ、初めてのブラストバーンはどうだった?」

「うん!悪くないかなっ。バクフーンはどうだった?」

バクフーンは身体を起こして右手で拳を突き上げた。どうやら私と同じ感想のようだ。

「よかった」

「早くグリーンに見せてあげたいね」

「そうだね!!さてとっ今日はクチバで休んで、明日セキチクジムに挑もっ」

私達は2匹を戻して約束通り、穴を開けた場所を埋めてポケセンへ向かった。


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