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レッドに一気に片づけると宣言をしたのもあって、バトルはあっという間に終わった。ライボルトの特性で電気タイプの技を吸収し、相手の使える技を減らしたから苦戦はしなかった。ただ、エレキブルのじしんは少し危なかった。
「oh!no!ユーは敵のソルジャーの所まで突撃して、そこにダイナマイトで爆発させるようなものデース!」
「特性を活かした戦術ですね。私の打倒ワタルさんの道を止めさせませんよ!!」
「ワタルの言う通り、ストロング ガール…オッケー!オレンジバッジやるヨ!」
マチスさんからオレンジバッチを受け取った。
「そのオレンジバッジはミーに勝った者に相応しい!大切にしてクダサーイ!」
「はい!」
「それからワンモア プレゼント!素晴らしい技マシーンをユーにプレゼントしますよ!」
ズボンのポケットから取り出した技マシン34も受け取った。
「その技マシーンにはエレクトリック ショォォーック!!でんげきはが入っています!これからもライボルトのようにビリビリ突き進むといいネ!」
「雷の如く、素早く、強くいきます!」
観客席で座ってバトルを見ていたレッドにVサインをした。するとレッドは満足げに頷いて私の勝利を喜んだ。
クチバジムを出て港へ向かう途中でレッドが立ち止まった。
「ジルチ、バクフーンを出して」
「バクフーンを?」
何でバクフーンなんだろうと思いつつ、ベルトに付けてたバクフーンのボールを投げた。
『バゥゥ?』
バクフーンは突然呼び出されてレッドと私の顔を見て首をかしげた。当然私も理由がわからないから一緒に首をかしげた。
「バクフーンがどうしたの?」
「…………」
「レッド?」
「……うん、そうだね。確認するまでもなかったかな」
「え?」
「バクフーン、ジルチの事これからもよろしくね。じゃ、2の島に行こう」
レッドはバクフーンの肩を軽く叩いて再び歩き始めた。
「バクフーンと2の島に何か関係があるの?」
「まぁね。それにジルチも関係があるよ?」
「そうなの?」
「うん。着いたら理由がわかるよ」
レッドと話ながらシーギャロップ号に乗り、2の島に着いた。島の奥の民家に行くとお婆さんが住んでいた。
「おぉ!あんたはあの時の坊主じゃないか。リザードンに教えた究極技は使いこなせてるか?」
「うん。最初の頃より良くなったよ。この子のポケモンなら究極技を使いこなせると思うから伝授してくれないかな?」
「はて…嬢ちゃん、どのポケモンじゃ?」
「この子…バクフーンです」
ボールからバクフーンを出すとお婆さんはバクフーンと私をまじまじと見た。
「…んんっ!?このポケモンは見たことがないが………悪くない!!おぬしの事をとても信頼しているようじゃ…。よし、わしの究極の技を引き継ぐのに相応しい…!」
「ありがとうございます!!ところでその究極技って…?」
「ブラストバーンだよ」
「ブラストバーンってライボルトと戦った時にリザードンが使ったあの技!?」
まさかブラストバーンをバクフーンに教えてくれるとは思わなくて驚いた。レッドから特殊な技とは聞いていたから尚更だった。
「では早速、バクフーンにブラストバーンを伝授いたそう……」
お婆さんがバクフーンに手を向けて深呼吸をした。
「きっ…きえええぇぇいっ!」
「ひっ!」
いきなり叫びだしたから軽く悲鳴をあげてしまった。
「……これでバクフーンはブラストバーンを伝授した」
「ありがとうございます。バクフーンどう?」
バクフーンは手を握ったりして何か得たかのような顔をした。
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