06
パラパラと岩が崩れはしたけどフーディン相手だからソーラービーム1発では倒れなかった。
「んー…まぁそうだよね」
かなしばりで封印されたリーフブレードとリフレクターはそろそろ解けていいはず。その時にフーディンを倒すつもりだ。
「フーディン、じこさいせい!」
「回復技…!リーフィア、攻めよう!!」
フーディンはソーラービームで傷ついた身体を癒してほとんど無傷に近い状態になった。ソーラービームで攻撃してもじこさいせいでほとんど回復されてしまう。こうなったらリフレクターを叩き割り、またかなしばりで攻撃技を封じられる前に一気に決める事にした。
リーフィアは頷いてつるぎのまいをしてからタネばくだんをフーディンに投げた。
「ちょこまかと動きやがって…!フーディン、かなしばりだ!!」
「つるぎのまい!!」
タネばくだんを封じさせないよう素早く指示を出した。つるぎのまいならしばらく封じられても問題ない。
何度かタネばくだんでリフレクターを叩きつけていると左上に小さなヒビが入った。
(あと、少し…)
「サイコキネシス!」
「タネばくだん!」
爆発で少し視界が悪くなって、一旦フーディンから距離を置いた。
次はどう出るか考えているとリーフィアは両足の葉っぱを鋭くしてリーフブレードの構えをした。その様子からしてかなしばりが解けたのがわかった。
「うん、叩き割る準備完了だね」
煙の向こう側にいると思われるフーディンを見つめていると煙の流れが一瞬変わった事に気づいた。
「リーフィア!上っ!!」
リーフィアが上を向くとサイコキネシスの構えをしているフーディンが飛び出してきた。
「空中にいるなら簡単に避けれないはず、リーフブレード!!」
サイコキネシスを放たれる前に目の前まで詰めより、リーフブレードでリフレクターを割りながらフーディンを切りつけた。
「チッ!リフレクターを割りやがったか!!」
「回復される前に一気に決める!!タネばくだん!」
「その前にもう1度リフレクターを」
「させないっリーフブレード!!」
一瞬の隙を与えないよう素早く攻め続けているとフーディンはふらつき始めた。
「意地でもリフレクターを使わせねぇってか!じこさいせいで回復しろ!」
リーフィアから距離を取ってフーディンがじこさいせいで回復をしたけど、治りきれていない傷が所々あった。
「ダメージが大きいからもう無傷に近い状態には治せないみたいだね!リーフィア、つるぎのまいからリーフブレード」
「またつるぎのまいか!!もう1度じこさいせいして回復だ!」
フーディンがじこさいせいで完治する前に舞終わったリーフィアが攻めこんで力強く切りつけた。
「何て速さと…火力なんだっ!!」
ソウルは倒れたフーディンをボールに戻してリーフィアを睨んだ。
「速さはまだ本領発揮してないけどね。リーフィア、お疲れ様」
リーフィアをボールに戻して次のレアコイルとゲンガーをバクフーンで焼き払い、ゴルバットをライボルトのかみなり1発で倒した。
戦ってわかったのが、ソウルのポケモン達がソウルを信頼している事だ。特にオーダイルの次に古いメンバーのゴルバットが結構なついている様子が見れた。
「これが…ラスト、か」
ソウルがボールを投げるとオーダイルが雄叫びを上げながら出てきた。ワニノコの頃のソウルに怯えてた様子が全くなかった。
「ワニノコ、随分と逞しくなったね…」
「オレ達はあの頃と違う。ライボルトのかみなりで倒れないっ!!」
「じゃあご要望通りのかみなりを耐えてみせて!」
ライボルトはかみなりをオーダイルに向けて落とした。
「お前の実力を見せてやれ!」
「まさかっ!」
ライボルトのかみなりをオーダイルは避けずに受け止めた事に驚いた。
「よしっオーダイル!こおりのキバ!」
「かえんほうしゃ!」
氷をまとったキバはかえんほうしゃで溶けてしまったけどそのままライボルトに向かって噛みついてきた。
「噛みついてなかなか離さない、か。ライボルト、10万ボルト!」
10万ボルトで噛みついたままだったオーダイルは離れた。かみなりといい、この10万ボルトでかなりダメージが与えられてオーダイルは傷だらけだった。
「きりさく!」
「10万ボルト!!」
オーダイルの爪が当たる前に10万ボルトの電撃を浴び、力尽きて倒れた。
勝負がついたところでオーダイルは起き上がると落ち込んでいた。昔、ライボルトのかみなりで1発で倒されたからリベンジしたかったかもしれない。
「チッ…!しょうがねえな…」
ソウルは落ち込むオーダイルを慰めるように肩を叩いてボールに戻した。
「まだまだ育て方が足りねえか……。こいつら弱いから負けちまうとムカつくけど、戦い繰り返すうちにちょっとずつ成長してるのがわかるんだよな……」
「私が最後に戦った時はまだワニノコだったけど、あの時よりもソウルも皆も成長したね」
ソウルは驚いたかのように目を見開いた。
「……チッ!それでもこいつらまだまだ弱っちいんだよ!お前らに勝つ為にもっと鍛えるには…そうだな、また竜の洞穴にでも行ってみるのがいいか…」
「イブキさんやドラゴン使いが多いからいい特訓相手になると思うよ?」
「知っている!…あばよ、ジルチ!それとレッド、お前もいつか倒すからな!」
そう言ってソウルは私達の横を通りすぎてニビシティの側の出口へ行った。
「…その日が来るのが楽しみだね」
「そうだね」
ソウルとは久しぶりにバトルをしたけどなかなか楽しかった。またバトルする時があったらいいなと思いながらハナダシティへ向かった。
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