02
翌日、私達はオーキド博士の研究所へ向かった。
「実に久しぶりじゃのお!元気にしておったか?」
「いろいろ大変でしたが元気ですよ!ワタルさんの挑戦状でこれからカントー制覇する旅に出ます。これエンジュの羊羮です」
「おぉ!和菓子じゃなっ…え?ワタルの挑戦状?」
「リーグに挑戦するのにジョウトとカントーのバッチ、16個集めないとダメだそうです。私限定で」
元々集めるつもりだったからいいけれどあのワタルさんだ。何か仕掛けてる可能性がある。イブキさんみたいにバッチを渡さないパターンがあったら迷わずリーグへ殴り込みに行くつもりだ。
「なるほど…大変だと思うが君ならすぐ集めてしまいそうじゃな。レッドはどうするんだ?久しぶりに帰ってきたわけだが…」
「ジルチと一緒に旅に出ます」
「聞くまでもなかったようじゃな!そうじゃ、君らの図鑑をバージョンアップしようと思ってな。前以て準備をしていたのじゃ!図鑑を貸してごらん」
私達はポケモン図鑑をオーキド博士に渡した。オーキド博士は奥の機械にあるケーブルを図鑑に挿してキーボードを叩いた。
「よし、完成じゃ!君らのポケモン図鑑を全国に対応させたからどの地方に行っても安心できるだろう。それと図鑑でポケモンの情報を集めてくれてありがとう。いろんな事がわかって助かったよ」
「どういたしまして。まだまだ調べる事がたくさんあるので頑張りますよっ」
「僕もジルチと一緒に頑張ります」
図鑑を受け取ってデータを見ると全国バージョン、地方別と調べやすくなっていた。
「わぁ…凄い、検索機能が細かく設定出来る!」
「図鑑所有者の情報を入力するとポケモンとの大きさ比べが出来るんだね」
「わ、カビゴンと体重比べたら私のアイコン飛んでった!」
「気に入ってくれたかな?」
「「はい!」」
図鑑で詳細検索でいろいろ試しながらオーキド博士達と羊羮を食べてジョウトの旅の事を話した。
「ウツギ博士の発見は素晴らしいものじゃったな!あれからポケモンの卵が見つかるようになって進化前の姿が確認されたり、卵にはグループがあったりといろんな事がわかったそうじゃ!それでわしも庭にいるポケモンの様子をよぉく見てるとピカチュウが卵を抱えてたりピチューを連れて遊んでるのを見た。今まで気づかなかったのが不思議なくらいだ」
「なんだかんだで庭で遊んでた私も気づきませんでした…。あ、久しぶりに庭に行っていいですか?」
「もちろんとも!」
私は研究所の庭へ向かうと懐かしい草原が広がっていて前よりポケモンの種類が増えていた。
まずは活動拠点にしていた大きな木に向かって走った。
「木が成長してまた大きくなったね…。あ、ポッポが巣を作ってる」
木の真ん中辺りにポッポの巣があって2匹が仲良く寄り添っていた。
「この木、懐かしいね。ここで告白した事覚えてる?」
後ろからレッドが来てポッポの巣を見ていた。
「覚えているよ。まさか告白されるとは思わなかったよ」
「ジルチがいきなり引っ越す事になってちょっと焦ってたんだ。僕の気持ちを言わなきゃ後悔するって思ってた。…でも両想いだったから嬉しかった」
「そうだね…」
あの時の事を思い出すと胸がドキドキしてきた。
「告白した時の事思い出してた?」
「え、何でわかったの?」
「ジルチの顔があの時と同じ顔してたから。だから…」
ぎゅっとレッドに抱きしめられて私も抱きついた。
「そうすると思った」
「あの時と同じだね。身長は伸びたけど、変わらない。…レッド、大好き」
「うん、大好きだよ。……いい天気だし、昼寝する?」
「ふふっ。しよっか」
レッドとお昼寝をして…夕方頃にナナミさんの所に行ってお菓子を届けた。ナナミさんにも私達がマサラタウンに帰ってきた事に驚いたのと連絡がなかったから心配された。
そのあとよく遊んだ場所でミニリュウとリーフィアを野生ポケモンと軽くバトルして、明日からジム巡りの旅に出る事を決めた。
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