水の都の巫女 | ナノ


35

 ウツギ博士に出発する前に皆で写真を撮りたい事を話していると研究所の扉が勢いよく開いた。そして昔に見た光景と同じように研究員の人が持ってた書類が舞い上がった。

「写真なら私にお任せくださいっ!!」

デジカメを構えたコトネちゃんがやって来た。そのあと三脚を抱えたヒビキ君も来た。

「元々写真を撮ろうと思ってたので持ってきました!」

「ありがとう!!出発の準備するからその間に皆に集合かけててっ」

「了解っす!」

私とレッドは2階の部屋に行って出発の準備をした。元々余計な物は入れてなかったからすぐ整理が終わった。

「マツバさんから貰ったお菓子はマサラタウンに着いたら皆で食べよっ!」

「そうだね。母さんもナナミさんもお菓子好きだから喜ぶよ」

「久しぶりに会うから楽しみだなぁ…。あ、花の指輪…よし、乾燥できてる。小物ケース小物ケース…あった」

厚紙で出来た小さな小物ケースにレッドの花の指輪を入れて渡した。

「ありがとう。僕も久しぶりに会うから…怒られるかな?」

「もしかしたら昨日のオーキド博士と同じ反応かもね。外が賑やかになってきた…皆集まったと思うから降りよう」

「うん」

1階に降りて外に出ると皆が集まっていて、ヒビキ君がマリルとメガニウムを連れてこっちに来た。

「ジルチさん!レッドさん!荷物はとりあえずここに置いててください!あとポケモン全部出してくれませんか?」

「え?全部?」

「はいっ!集合写真撮るならポケモンも一緒に撮ったら盛り上がるじゃないですかっ!」

「僕のポケモン、結構大きいけど大丈夫?」

「大丈夫っすよ!…多分」

ヒビキ君が目をそらしたのを見たコトネちゃんがトゲピーを抱えながら手を上げた。

「大きいポケモン達は後ろに並んでもらいますので安心してください!」

「なら安心だね」

「んじゃ、みんな出てきて!!」

私達はボールを全部上へ投げた。
私のバンギラスとバクフーンは後ろに並んでレッドのピカチュウとエーフィ以外のポケモンが後ろに並んだ。こうして見ると凄い迫力があるメンバーだった。
どの辺りに並ぼうか考えているとコトネちゃんに手を引っ張られた。

「ジルチさん達は真ん中で座って私達がその隣にいきます!ウツギ博士一家と研究員さんはその後ろ」

コトネちゃんがてきぱきと指示を出して皆はそれぞれの場所に待機した。

「よし、フレーム内に上手く入ってる。ヒビキ君!もうちょっと寄って…そこ!!じゃあ撮りまーすっ!!」

タイマーをセットしたコトネちゃんが走って持ち場についた。ポーズどうしようかなと思っているとレッドがボールを構えていたから私もライボルトの白いボールを構えることにした。

―カシャッ!!
シャッター音が聞こえてからコトネちゃんはデジカメの所まで行って確認をしていた。

「うんっ綺麗に撮れました!ウツギ博士、パソコンとコピー機借りていいですか?ジルチさん達はちょっと待っててください!」

「わかった」

コトネちゃんとウツギ博士が研究所に戻ってる間に出したポケモンをボールに戻した。カントーに着いたらミニリュウをちゃんと育てなきゃと考えていた。

「お待たせしましたー!どうぞ!」

コトネちゃんが2枚の写真を持って戻ってきた。確かに綺麗に撮れてるけど…後ろのメンバーで研究所の半分が隠れてて少し笑った。

「僕にもくれるの?」

「もちろんです!」

「この写真、部屋に飾ってくる!」

私は写真を持って部屋に戻った。写真立ては確かに余ってたはずと思って引き出しを開けたら1つあった。

「…また戻ってきたら写真増えてそう」

4つなった写真を見てると嬉しくなった。吊るしてた花の指輪を撮ったばかりの写真立ての角に飾って部屋を出た。

「お待たせ!」

外に出るとレッドがリザードンに乗っててすぐに飛び出せる状態だった。

「忘れ物はない?」

「大丈夫!」

レッドの手を掴んでリザードンの上に乗った。荷物の都合上私がレッドの前に座る体勢になった。

「ジルチちゃん、カントーの旅行ってらっしゃい。レッド君、ジルチちゃんの事頼んだよ」

「はい!」「行ってきます!」

「「いってらっしゃーい!!」」

皆に見送られながらリザードンはカントーを目指して飛び上がった。


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