水の都の巫女 | ナノ


30

 イーブイがリーフィアに進化して喜んでからしばらく森の中を走ったり木に登ったり存分に楽しんでいた。その時にセレビィにカントーへ行く事を伝えた。

『そろそろ戻る?』

「うんっありがとう、セレビィ!」

「いい場所だった。ありがとう」

『どういたしまして!最後に君達にこれあげる!左手出してっ』

「「?」」

何だろうと思いつつ、私達はセレビィに左手を出した。セレビィは私の左手を持つと薬指に白くて丸い花で作った指輪をはめた。レッドの左手薬指に同じ指輪をはめていた。

『どうかなっ?』

(左手の薬指……あれ、それって…)

「セレビィ、ありがとう」

『うん!うん!それじゃ元の時間に戻るねっ』

私が何か言おうとする前にセレビィが時渡りを発動した。
鈴のような音と風が収まって目を開けると元の鬱蒼としたウバメの森に帰ってきた。

『前の2倍の量の木の実だね!また遊ぼうね!じゃっ』

「またね!」

祠にお供えした木の実を抱えてセレビィは森のどこかへ飛んでいった。
レッドはピカチュウを肩に乗せてリーフィアを撫でていた。

「いい体験をしたね」

「時渡り…不思議なものだった。レッド、セレビィに慣れてるって言ってたけど旅してる時に誰か会った事あるの?」

「まぁね。ハナダシティに来たらジルチに紹介しようと思ってるんだ。だからその時まで楽しみに待ってて」

「う、うん?…じゃ、歩いてヒワダに向かおっか!」

「うん」『ピッカ!』

私達はウバメの森を歩いている時に、マサキさんにイーブイが進化した事をポケギアで伝えるとシンオウに氷タイプに進化するイーブイがいると教えてもらった。
ウバメの森のゲートを抜けてヒワダタウンに着いてすぐにガンテツさんの家を訪ねた。

「お久しぶりです。ガンテツさん!ボール取りに来ましたよ」

「久しぶりやな!何や、もうジョウトのジム制覇して戻ってきたんか。ほれ、あの時貰ったぼんぐりで作ったフレンドボールや。まだ旅するんやろ?」

「もちろんですよ。次はカントー地方に行ってバッチ8個集めたらリーグに行きます」

フレンドボール6個を受け取って鞄の中にしまった。ガンテツさんの説明によると、このボールはつかまえた野生ポケモンがすぐになついてくれる変わったボールらしい。

「へぇ…ボールを作れるんだ」

レッドは私とガンテツさんのやり取りを見て呟いた。カントーにはガンテツさんのようなボール職人がいないらしい。

「ジルチの知り合いなら坊主もぼんぐり持ってきたら作ったるわ!またぼんぐり持っていきや」

「ありがとうございます」

「ぼんぐり集まったらまた来ます!」

「おねーちゃん、げんきでね!」

「うん!」

ガンテツさんと孫のチエちゃんに見送られながらヒワダタウンからリザードンに乗って、アルフの遺跡に寄ってからワカバタウンへ向かった。


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