水の都の巫女 | ナノ


28

 下に降りるためにエレベーターの前で待っていると上がってきたエレベーターから局長が出てきた。

「おぉ……!もうやっつけてくれたのか。礼を言うよ、本当にありがとう」

「どういたしまして。ロケット団は解散しましたのでもう大丈夫だと思います」

「そうか!君達の勇気ある行動が全国のポケモンを救ったんだ。君達だったらこれを持つのに相応しいだろう。受け取ってくれたまえ!」

局長はポケットから虹色の羽根を取り出した。この色合いの羽根に見覚えがあった。

「これはホウオウの羽根!一体どこで…?」

「昔ここにあった古い塔を建て替えてラジオ塔にした時、塔のてっぺんで見つかった。それは伝説のポケモン、ホウオウの羽根だったのか」

「はい、ありがとうございます」

「その羽根はジルチが持っときなよ」

「うん」

虹色の羽根をジョウト側のバッチケースに入れて鞄にしまった。

「さて、そろそろ私は局長室に戻るよ。一緒に降りる?」

私達は頷いて局長と一緒にエレベーターに乗って5階で別れた。
職員さんにたくさんお礼を言われながらラジオ塔をあとにした。

「ふぅ…疲れたー…」

「ポケセンで少し休もう。軽く食べてから行く?」

「うん、そうする!」

コガネのポケセンで手持ちの回復とサンドイッチを買って少し休憩をしていた。忘れないうちにガンテツさんに今からボールを取りに行くと連絡を入れた。

「このあとはガンテツさんのとこでボールを……あ、コガネとヒワダの間にあるウバメの森行っていい?」

ヒワダタウンに寄る前にウバメの森の祠に行く事を思い出した。

「いいよ。森に何かあるの?」

「セレビィを祀ってると言われている祠があるの。また木の実を供えようと思ってね」

「セレビィってジルチが小さい頃にオーキド博士の庭で見たポケモンだっけ?その祠で会えたの?」

「ううん、会えなかったけど一応カントーへ旅立つ事を伝えるよ。それとヒワダタウンのあとアルフの遺跡にも行っていい?」

サンドイッチを食べ終えてコーヒーを飲んでいたレッドは少し考えながら言った。

「遺跡…調べ物?」

「まぁね。アルフの遺跡についての研究資料を渡したクリスさんがどうしてるか気になったのとバッチ8こ集まりましたの報告」

「わかった。遺跡の場所はわからないから道案内はよろしく」

「もちろん!」

クリスさん達の事だからアルフの遺跡の調査はほとんど終わっていそうと思いながら持っていたカップの紅茶を一気に飲み干した。


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