水の都の巫女 | ナノ


26

 私が相手しようと1歩を踏み出す前にレッドが私の前に出た。

「レッド?」

「あとは僕に任せて」

「あら…貴女はランスのお気に入りのトレーナーさんじゃないの。坊やは誰かしら?私達の邪魔をするなら覚悟しなさい!」

2人はボールを構えた。

「すぐ、片付けるから」

「…わかった」

レッドがそう言うなら大人しくしようと思い、後ろに下がった。

「アーボック、どくばり」

「リザードン、フレアドライブ」

どくばりごと燃やしながらアーボックをフレアドライブで倒した。

「くっ…何て生意気かしらっ」

ラフレシアもフレアドライブ、最後のヤミカラスはブラストバーンで焼き払い、レッドの言う通りすぐ片付けてしまった。レッドは相手が戦えないとわかって、私とエレベーターに向かうと、通り際に女性の幹部がため息混じりに話し出した。

「勿体ないわねぇ…せっかくの強さを悪いことに使わないなんて!まっ貴女達のような人には、あたくし達の素晴らしさを永遠に理解できないのよ。残念だわ」

「そんな事に使う強さなんて本当の強さじゃない、偽りの強さだ。それにお前らの悪事を理解するつもりはない」

「まぁ生意気ね。ランスはこの子のどこが気に入ったのかしら」

「…… 」

私は女性の幹部を睨んでレッドと展望台行きのエレベーターに乗った。

「…私の能力を悪利用するような奴に好かれたくないっ…!」

「そうだね。そんな奴に好かれたら僕も嫌だ」

レッドは私の頭を優しく撫でていると展望台に着いた事を知らせるアナウンスが流れた。
エレベーターから出て、ガラス張りの展望台を歩くと奥に外を眺めている幹部の男が立っていた。

「おやおや……ついにここまで来ましたか。なかなか優秀なトレーナーのようですね」

「ロケット団に誉められても嬉しくないのだけど」

「そうですか。我々はラジオ塔を乗っ取り、全国に向けて復活宣言するのです。そうすれば修行中のサカキ様も戻られるに違いない」

「サカキが戻っても戻らなくても、もう1度壊滅させてやる!」

幹部はゆっくりと私達に振り向いてボールを投げた。

「あの昔の栄光を取り戻すのです…!その邪魔はさせませんよ!」

幹部はデルビルとヘルガーを出して2匹は大きな声で吠えた。

「来なさい、2人同時に相手をしますよ!」

「…だってさジルチ」

「2人同時に相手をした事を後悔させてあげるっ!イーブイ!」

「じゃあ僕は…ゆけ!カビゴン!」

カビゴンが出てきた時に床が揺れて、隣にいたイーブイが震動で軽く飛んだ。

「イーブイ!スピードスター!」

「2匹共、イーブイにほのおのキバ」

スピードスター当たっても怯まず、2匹はイーブイにキバに炎を燃やしながら向かってきた。


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